<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まるおじ
性別:男
年齢:52
プロフィール:専業主婦の妻と高校生、小学生の子供の4人家族です。単身赴任中で月1、2回自宅に戻る生活が3年ほど続いています。
高校2年生の我が家の息子は、食べるのは大好き、でも料理には全く関心がない、というどこにでもいそうな男の子でした。
平日は部活動が終わって帰宅するのは夜遅く、帰るとご飯を食べて風呂に入った後は、寝るまでひたすらスマホを見るだけの生活。
週末になると、疲れたと言って家で勉強もしないでゴロゴロするばかり。
40代前半の妻が家の手伝いを頼んでも「疲れているから休ませてくれ」と言って動こうともしません。
そして、今年の3月に入ると新型コロナの影響で高校が休校、部活動も休止となり、息子が一日中家にいるようになりました。
たっぷり時間ができた息子ですが、新型コロナに感染するといけないから、ということを口実に家から一歩も外に出ようとしません。
朝起きてから寝るまで1日中リビングにいて、スマホを片手にゲームやyoutube三昧の生活に、妻のイライラも募っていきました。
そんなある日、いつものようにゴロゴロする息子に妻が買い物を頼んだところ、こう言ってきました。
「家事は母親の仕事でしょ。なんで俺が行かないとダメなの?」
この発言に遂に妻の怒りが大爆発!
「勉強もロクにしないくせに何様だ! そんな偉そうな口をたたくなら、ご飯くらい自分で作ってみろ!」
それ以来、息子の分の料理作りをボイコットしてしまいました。
今まで料理などしたことのなかった息子は大弱り。
仕方なくスマホのアプリを見ながら、ぎこちない手つきで好物のオムライスを作りはじめたものの、なかなか上手くいきません。
「なんで俺が料理なんかしなきゃいけないんだ!」
ブツブツ文句を言い続けていました。
しかし、苦心の末にようやく完成したところ、なかなか美味しくできたようです。
「お兄ちゃんは料理の才能があるんじゃないの?」
味見した小学5年生の妹にそんなことを言われると、すっかりご機嫌になりました。
そして、それからというもの、息子はすっかり料理が大好きに。
学校が再開しても、休みの日になると自分の昼食を作るようになりました。
さらには、時間がある時には妻が録画していた料理番組を観たり、料理本を読んで勉強するなど、驚くほど料理に情熱を注いだのです。
私が単身赴任先から戻る毎に、新しく身に付けたレパートリーを自慢げに披露してきます。
そんな姿を見ながら、あのぐうたら人間だった息子がここまで変わるのか、とビックリしながらも関心していました。
こうして見事に料理男子に大変身した息子に、妻も大喜びでした。
ここまでは良かったのですが、新たな問題が発生してしまいました。
料理に自信を付け、すっかり味にうるさくなった息子が、妻の作る料理にあれこれ口を出すようになってしまったのです。
メニュー選定に始まり、野菜の切り方から味付けまで色々と注文を付けたり文句を言う姿は、まるで我が家にうるさい小舅(小姑?)が入り込んできたようで、またまた妻のイライラが復活してしまいました。
見るに堪えかねた私が注意しても、息子は「料理をできない人は黙ってて!」と言い、全く相手にされません。
さらには、妻からも「お父さんは単身赴任しているくせに、ろくに料理もできないから息子になめられるのよ。全く情けない...」と言われてしまい、何も言い返すこともできず、私もモヤモヤした気分です。
とはいえ、このままではいけないので、私も遅まきながら料理をはじめて、少しでも見返せるようにしようとしているところです。
関連の体験記:もうあの綺麗なお弁当は食べられないけど...認知症の母が作ってくれたおにぎりに涙
関連の体験記:「抱っこさせてくれるの?」名家に嫁ぎ、劣等感にまみれた私の前で、初孫を抱いて涙ぐんだ義母
関連の体験記:私が還暦を迎える正月にも帰省しない娘と息子。「寂しい年越し」の後に訪れたのは...⁉
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。