<この体験記を書いた人>
ペンネーム:Jenn
性別:女
年齢:52
プロフィール:シニアになりつつある愛犬のため、手作りフードに挑戦中。
数年前、念願だった犬との暮らしが始まりました。
保護犬だった3カ月くらいの子犬は、今では中型サイズに成長しています。
夫は室内犬の経験がありますが、私は外犬の経験しかなく、同じ部屋で一緒に生活するのは初めて。
犬が人の心の機微を察して寄り添ってくれることに感動し、表情やしぐさで多くを語ることができるのに驚いています。
愛犬は私の帰宅のたびに飛び上がって喜びを表現、食事を準備していると後ろ足で立ち上がって覗き込みます。
入浴中はお風呂の前で待ち、ソファーに座れば隣に来ます。
そんな行動が愛おしくてたまらないのですが、どうも夫は私と犬のべたべたした関係をよく思っていないらしく、構いすぎだと言うのです。
思い起こせば夫は子犬時代、抱っこしたがる私に「おもちゃじゃない」と言い、姿が見えないと探し回る私に「好きにさせておけば」と制しました。
そのうち、遠出やサイクリング、愛犬グッズのショッピングには一緒に行かなくなりました。
犬をもう一頭育てようかという私に、夫の返事は「育て方が違うから、別々に1頭ずつ飼うのならいい」でした。
ある日、私が車で帰宅する途中に散歩中の夫と愛犬に出くわし、驚くような光景を目にしました。
愛犬は、夫の脇にぴったりと寄り添って同じ速度で歩いています。
私と一緒の時は走りたがるし、クンクンしたがるのに。
それから夫と犬を観察するようになりました。
抱き寄せた犬の頭からは夫のアフターシェーブの香りがするので、なでてもらっているんだなとわかります。
彼は愛犬によく話しかけ、遊ぶ時は引っ張り合いやボール投げなど犬の運動も兼ねた遊びをしています。
愛情をかけているとは思いますが、確かに「構っている」という感じではありません。
ペットではなく同居人の方がぴったりくるかもしれません。
私が家にいない時、散歩の時間になると、愛犬は夫の部屋のドアを鼻で開けて顔を出すそうです。
夫は「時間が分かるんだね」と感心しながら、玄関でハーネスを両手に持ち広げます。
すると、愛犬は自らハーネスに頭を突っ込み、前足を上げて肩に通します。
散歩中にも電柱の向こう側を通ってリードが引っかかることもありません。
犬や猫を見かけても追いかけようともしませんから、夫はリード無しでも散歩は可能だと言っています。
夫が帰宅した時は玄関で迎えますが、飛び上がったりはしません。
夫の車では、後部ドアを大きく開けても「よし」というまでは飛び降りません。
愛犬は、夫と一緒の時と私と一緒の時では、明らかに態度が違います。
これって二重人格? いえ、犬だから二重犬格?
それからは私の方が散歩の練習を始めました。
サイレンの音に反応する愛犬を面白がりながら、一緒に雄たけびを上げるおバカな行為を真っ先にやめ、車の中ではワクワクした調子で「もうすぐ着くよ」などと言って愛犬を興奮させないように気を付けました。
今では無駄吠えもせず、来客にも穏やかに接する愛犬は、誰からもお利口さんな犬だと褒められます。
しかし!
飛び上がって迎えてくれる愛情表現、興奮すると家じゅうを走り回っていたエネルギー全開な姿、あの愛おしくてたまらなかったやんちゃな愛犬はどこに行ったのでしょう。
もっと無意味にぎゅっとハグしたい!
どこにでも連れて行けるように、マイカーの後部座席を犬専用スペースにしたことに夫は反対しませんでした。
私は家の中でおとなしくしている分、もっと頻繁に遠出をして思い切り遊ばせて犬サービスをしたいと思うのです。
人間の生活に合わせるしつけは、確かに都会での犬との生活を穏やかで居心地よくしますが、果たして犬にとってはどうなのかな?
愛犬家のみなさん、どう思いますか?
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