<この体験記を書いた人>
ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:脳梗塞の夫と二人の子供と暮らす、働くお母さんです。
夫(57歳)が病に倒れたのをきっかけに、フルタイムのパートにでるようになって早9年の私(52歳)。
仕事で親しくなり、プライベートでも懇意にしていた友人A子さん(50歳)は、気さくでとてもいい人です。
そんな彼女から半年ほど前に、「少しお金を貸して貰えないかな?」と相談を受けました。
理由を聞くと、車をぶつけてしまって、修理費用がたりないから少しお金を融通して欲しいとのこと。
金額は3万円。
夫が働き始めたとはいえ、家計はまだまだ赤字状態の我が家で3万円は大金です。
「次の給料が出たら必ず返すから、お願い!」
少し返事をためらっていると、彼女は言い募ってきました。
給料日までは後一週間ほど。
「それくらいなら良いか」と、彼女を信用してお金を貸すことにしました。
ところが、給料日が来た時A子さんはいきなり言い分を変えてきたのです。
「今月は車検があって厳しいから、来月のお給料日まで待って」
正直当てにしていたので少しショックでしたが、「待てないからすぐに返して」と言うほど切羽詰まった状態でもありません。
「じゃあ、来月お願いね」
「うん、分かった」
笑顔でAさんと言葉を交わしました。
ところが、次の給料日がきたら、また話が違うのです。
「ごめんねー。今月冠婚葬祭が重なってピンチなの、来月まで待って!」
Aさんは悪びれた様子もなく笑顔で言ってきて、思わず返答に困ってしまいました。
車検でお金がかかるのも、冠婚葬祭が重なって臨時の出費がかさむのも良くあること。
彼女の言い分はよく分かります。
でも私なら貯金を崩しても借りたお金は返します。
言葉にしようのないA子さんに対するモヤモヤを抱いたまま、更に次の給料日がやってきました。
さすがに今度は返してくれるだろうと期待していました。
しかし、なんと今度は言いわけすらすることなく、スルーされてしまいました。
うっかり忘れているのかもしれないと思い、2、3日待ってみましたが、彼女から話題に出す素振りはみじんもなく...。
これは、はっきり言わないと行けないと思い、意を決して私から言うことにしました。
「貸したお金なんだけど、今月はうちも車検があって厳しいから返して貰えるかな?」
仕事終わりの更衣室でそう声を掛けました。
なるべく剣呑にならない口調でいったのですが、A子さんの表情が、サッと険しいものに変わりました。
「お金お金って、友達よりお金が大事なの?」
開口一番、逆切れして怒りだしたA子さん。
お金のことをこっちから言ったのは今回初めてなのに...と、私もムッとしました。
でも、ここで彼女に合わせて怒ってしまえばA子さんと同レベルになってしまいます。
周囲に数人、同僚もいたのでそんな真似はできません。
なけなしの理性で怒りを抑え込み「悪いけど、明日、お願いね」と、笑顔で言いました。
「分かったわよ。たかが3万円くらいでしつこいったら!」
A子さんはグチグチ文句をいいながら帰って行き、私は呆然とその後ろ姿を見送りました。
翌日、お金は返してもらいましたが、それ以降、A子さんとは疎遠になりました。
「金の切れ目が縁の切れ目」とは、よく言ったものです。
お金にルーズな人とは付き合えない。そう実感した出来事でした。
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