外出自粛で妻が始めた「ストリートビューでの旅行気分」。ある日、妻が見せてきた場所は...⁉

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:58
プロフィール:地方公務員の58歳男性です。妻(56歳)とは人の紹介で出会い25年以上が過ぎました。

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「今日はちょっとニューヨークに行ってくるわね」

そう言って自分の部屋に入っていく妻(56歳)。

2人の子供達も独立して家を離れてからは、ときどき2人で出かけるのを楽しみにしていたのですが、今年は春からほとんど旅行らしい旅行はできていません。

コロナの猛威は田舎町で暮らす我が家にも訪れ、出かけるのは憚られる昨今、ゴールデンウィークも夏休みも家に留まらざるを得ませんでした。

替わりというわけではないのでしょうが、妻がはまった趣味がグーグルのストリートビューを使ってのオンライントラベルです。

「いいものよ。憧れのヨーロッパもオーストラリアも自由自在だしね」

「すみませんね、甲斐性なしで」

実は私は大の飛行機嫌いで、国内ぐらいは我慢できますが、何時間も飛行機に乗るのは生理的に受け付けず、海外への旅はしたことがありません。

そんな後ろめたさもあり、妻のささやかな趣味を応援していました。

「気分だけでも海外旅行にでも行ったら?」

「それもいいけどね...」

そう言いながら、妻は自分の部屋からパソコンを持ち出してきました。

「おや、今日はここからご出発ですか?」

おどけて見せると、妻はニヤニヤ笑いながらパソコンを起ち上げ、マウスで何やら始めました。

いつもは自分の部屋で楽しんでいるので特に気にもかけませんでしたが、さすがに目の前で始められると気になります。

妻の後ろに回って画面をのぞき込んでみました。

画面には古い民家風の建物が映し出されており、看板などから日本だということが分かりました。

「おや、今日は国内旅行?」
「まあね」

私はストリートビューはよく分からないので、妻が操作をして出てくる風景を眺めているだけでした。

次に画面に出てきたのは湖です。

美しい湖面の中に金色の像が立っています。

「これって、田沢湖?」

「ピンポン! よく分かったわね」

「たつこ姫の像だろ? これって」

「そうそう、さすがよく知ってるわね」

妻は何とも嬉しそうです。

続いて妻が操作すると画面には原生林の中の遊歩道の様子が映し出されました。

「...これは奥入瀬かな?」

「すごい! なんで分かった?」

「いや、何となく見覚えがあるなって...なんだい、今日はずいぶん地味な旅だね」

「地味よね、ほんとに。でも、これがいいのよね...っていうか良かったのよ」

「良かった? なんで過去形...あれ? このコースって...」

「やっと気づいた?」

妻は新婚旅行のコースをたどっていたのです。

「どうりで見覚えがあるはずだ」

「まったく新婚旅行が東北のドライブ旅って、なかなかないわよ」

「しょうがないだろ、飛行機は嫌だったんだから...」

「はいはい、それをのんでハワイ旅行を諦めた私の身にもなってよね」

「何? つまらなかった?」

「...ああ、ここ、ここ! ほら覚えてる?」

「ああ、奥入瀬の温泉だ、いい宿だったよね」

「あなた、酔っぱらっちゃって、大変だったじゃない」

思い出話をしながらしばしあの頃の気分を楽しみました。

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健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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コメント一覧

一箇所目でピンとこない地味な旅行はご本人も大して良い思い出ではなかったのでは。旦那がこれじゃあがっかりだなー。
お金かから無いけども、、、 何か寂しい趣味 ま、人それぞれですよね!
いずれ奥さんだけ、お友だちと一緒にヨーロッパに行けばいいんです。その時は気持ちよく餞別持たせて送り出して下さいね。家の中は俺に任せろ!ってね。
コロナ関係なくできることですよね。コロナがなければあちこち旅行にいっている、という訳ではないなら、これくらい連れて行って欲しいと思っているのでは? 普段から浪費していないで二人で役場に勤めているなら年に数回の旅行は行けますよね。

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