<この体験記を書いた人>
ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:脳梗塞の夫と二人の子供と暮らす、働くお母さんです。
私(52歳)は、食品関係の工場で週5日、夜勤のフルタイムのパートをしています。
そこで知り合って仲良くなった友人A子さん(45歳)は、旦那さんを病気で亡くして、高校生の娘さんを育てているシングルマザーです。
私も、夫(57歳)が9年前に脳梗塞を患ってから自分が働きに出たので、A子さんとは色々話が合い、仲良くなりました。
A子さんは工場での夜勤だけではなく、昼間もラブホテルのお掃除のアルバイトをしている頑張り屋さんです。
ある日、そのA子さんから急に親戚でお葬式ができてしまったから、1日だけホテルのお掃除のピンチヒッターに行ってもらえないかと連絡がありました。
誰でもいいから、代わりの人を探して欲しいとホテル側から頼まれたそうです。
「他に頼める人がいないの、お願いできないかな?」と、心底申し訳なさそうに言われれば、断ることはできませんでした。
正直、ホテルの掃除なんて未知の世界で、自分にできるか心配だったのですが、頼まれた日の夜は、ちょうど私のパートが公休日でした。
前日は普通に仕事があるので、夜勤明けで眠いけれど、夜は休みだから何とかなるかと思い引き受けることにしました。
しかしフタを開けてみれば、そのお掃除がなかなかどうして、体力勝負のかなり大変な仕事だったのです。
ピンチヒッターを頼まれた時間帯は、9~13時の実働4時間。
9時くらいに受付に来てくださいとのことだったので、当日のAM8:50、ホテルの裏側にある従業員用の駐車場に車を止めて、ドキドキしつつ事務所のドアを叩きました。
対応してくれたのは、ホテルのオーナーの男性で、50代くらいに見える穏やかそうな方です。
簡単なあいさつの後、一緒にお掃除をするメンバーが仕事の準備をしている控室的な場所に案内されました。
本日一緒に仕事をするのは、私を含めて4人。
メンバー構成は、備品を補充して最後に掃除の不備がないか確認するリーダー役の40代の女性。
他に、30代の男性、20代の女性です。
リーダーの人は備品の補充と最後のチェックの他、使用したコップやコーヒーカップ類を洗います。
この他に、ベッドメイクを2人一組で行った後、それぞれ洗面所とトイレ掃除に分かれ、最後の1人はお風呂掃除です。
本来は、ベッドメイクとお風呂掃除を部屋ごとに交代するらしいのですが、今日はピンチヒッターの私はベッドメイク専門ですることになりました。
リーダーの女性から簡単な説明を受けたあと、いよいよ仕事開始です。
部屋のドアを開けて、ドアストッパーでドアを開いたまま固定。
それぞれの担当場所へ足早に散っていく4人。
相棒の20代の女性と一緒に、シーツと布団カバー、枕カバーを持って足早にベッドへ向かいます。
手順は大体こんな感じです。
(1)使用済みのシーツ、掛け布団カバー、枕カバーを取る。
(2)ベッド周りのゴミを捨てる。
(3)ベッドメイク。
それほど難しい仕事ではありませんが、なにせスピードが命。
相棒の女性の手際の良さに比べ、不慣れな私のスピードは半分以下。
部屋数をこなして行くうちに少しはスピードアップしましたが、所詮付け焼刃。
熟練の技にかなうはずもありません。
仕事が終わる頃には、相棒の女性は平然としているのに、私は疲労でヘロヘロ状態に...。
最後に1日のアルバイト料と栄養ドリンクをいただいて、妙にすがすがしい気持ちで帰宅しました。
簡単に見える作業でも、経験の差でこなす仕事の量とスピードが段違いでした。
ベッドメイクだけしかしませんでしたが、翌日は腕に腰に太ももまで、全身まんべんなく筋肉痛になった私です。
世の中に楽な仕事はない。
ホテル清掃も大変なお仕事だなぁと、実感した体験でした。
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