<この体験記を書いた人>
ペンネーム:tatayayu
性別:男
年齢:43
プロフィール:ピアノ演奏・スポーツジム・プログラム入力・英会話・オンラインゲーム等、様々な趣味に生きる中年です。
最近ニュースを見ていると頻繁に飛び込んでくる話題があります。
皆さんもすでにあきあきしているコロナ関連のニュースです。
国内外の経済にもの凄い影響を与えていますよね。
いろんなニュースがある中で、個人的には「コロナの影響で会社倒産」というニュースが最も印象に残っています。
なぜなら、私自身も2005年に働いていた会社が倒産するという経験をしたからです。
とはいえ、コロナの影響などではなく、単純な経営の問題なのですが...。
恥ずかしながら幼稚だった28歳の自分にとって、かなり考えさせられる出来事でした。
1995年に高校を卒業して初めて働き始めた私は、正直何も分かっていませんでした。
何の資格・能力も持っておらず、やりたい事もありません。
会社には本当に申し訳ないですが、何となく働き始めた会社だったのです。
仕事内容としてはコンビニエンスストアのお惣菜・デザート等を調理し、仕分けしてトラックで各店舗にルート配送をするというものでした。
その中でパレットに仕分けした後、トラックのドックまで運ぶという仕事を最初にしていました。
当時の自分は本当に幼稚で、何が出来る訳でもないくせに簡単すぎてつまらない、かったるいなど、生意気なことばかり考えていました。
凄く良い仕事仲間に恵まれていたので、それなりに楽しく働いていましたが、やはり物足りない感じがしばらく抜けませんでした。
とはいえお金をもらっているのですから、与えられた仕事に関しては出来る限り一生懸命取り組んでいました。
それを見ていてくれた管理の方が評価してくれたようで、「新人のバイト・パートの研修やシフト管理、在庫管理などしてくれ」というお話をいただき、嬉しく感じたのを記憶しています。
毎日、忙しくも楽しく生活していたのですが、ある日出勤したところ、従業員が全員集められていました。
すると上司から「突然で申し訳ありませんが、来月一杯で倒産するのでいろいろと準備をしてください」というお話しがありました。
まさか倒産するとは...。
28歳の自分には全く予想することが出来ず、かなり驚きました。
その瞬間、一人暮らしの準備をしたお金はまだ残っていたはず、でも自分にはなんの能力もない、いやいやまだ若いからなにかしらの働き口はあるだろう。
ああ、両親は健在だけど絶対頼りたくない...などなどいろんなことを考えました。
そこで気づいたのですが、それまでの自分は、倒産はドラマの中だけのもので、実際に自分の身に降りかかる事はある訳がないと、何の根拠もなく考えていたのです。
正直なところ、高校卒業した時から自分があまり成長していないことに気付かされました。
幸いすぐに別の会社で働くことが出来たので、特に問題なくその後も生活を続けられましたが、生まれて初めて生活を維持する大変さを実感し、とても良い経験になりました。
あの時にもっと預金があり、何か役に立つ資格でも持っていたのならば、もっと精神的に余裕があったはずだと思わない日はありません。
その件があってからは、様々な資格を取得し、蓄えも増えて、現在43歳になりましたが、安定した生活を送ることができています。
もし若い方々がこの文章を読む機会があれば、いきなり倒産や何かトラブルがあった時に慌てなくていい様に、最低限の準備をしておくことをお勧めします。
関連の体験記:仕事の電話があり「静かにしてて」と伝えたら30分「微動だにしない」母。実は悲しい理由が...
関連の体験記:これって私へのいじめなの...?同居する70代義両親と義弟の4人で囲む「夫が不在の夕飯」
関連の体験記:「いいから、いいから」3人の子どもと買い物に奮闘中の私に声をかけてくれた...「神様のような人」
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。