<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆらら
性別:女
年齢:51
プロフィール:70代母と30代娘と同居。マンションの真下の部屋に暮らす同年代の女性との付き合い方で困っています。
マンションの真下の部屋に暮らす女性は、子供の年齢も同じで、引っ越しのご挨拶に行った時から共通の話題があり、すぐに仲良くなりました。
共用廊下で会った時や駐車場で会った時など、夕食の支度の時間を忘れて話し込んでしまうことも度々あるほどでした。
ある日、少し疲れた様子だったので体調でも悪いのかと思い聞いてみると、隣の部屋で犬を2匹飼っていて、夜遅くや朝早くに鳴き声が聞こえてしんどい、と話してくれました。
すぐ上の部屋なのにうちでは聞こえません。
それどころかペットを飼っていることも知らなかった私は、だからと言って何も力になれることが思い付かず「大変だね」と声を掛けてその場は別れたのです。
数日後、今度は彼女の方から隣の家のベランダから犬の毛が飛んできて、洗濯物に付くので困っていると話してきました。
それはとても嫌だなと思い「困ったね」と話し、直接言うのはトラブルになるかなと悩んでいる様子だったので、管理人さんに相談してみたらと話しました。
その頃から、彼女は顔を合わせると、隣の家のことを色々と話して来るようになりました。
今日も犬の毛が飛んで来たとか、雨の日は臭いがして困るとか。
本当に色々と困っているのだと可哀想になって聞いていました。
ところがある日、以前から彼女と仲が良く、最近は私も度々顔を合わせると一緒にお喋りをしていた女性から、驚きの話を聞きました。
真下の階の彼女が、私がベランダに干した布団が邪魔だと言っている、と聞かされたのです。
布団やシーツが風に揺れると、下の部屋のベランダに影が映りゆらゆらと目障りで、その影のせいで洗濯物が乾かないので「干し方を変えて欲しい」と言っていたそうです。
以前も別の集合住宅に暮らしていましたが、そんなことを言われたのは初めてでした。
ベランダの手摺りに布団を干すなんてどこでもあることだし、風でフワッとしたとしても目障りなほどだとは思えません。
ましてそれで洗濯物が乾かないなんて大袈裟だと思ったのです。
でも、私に話をしていた隣の部屋に対するクレームを考えると、些細なことでも気になったらどうしようもないのかな...と思い干し方を変えてみました。
ベランダの手摺りに布団を干すのをやめて、布団干しを購入して干すことにしたのです。
恐らくそれで納得したのでしょう。
その後、友達の女性からは彼女のクレームは聞かされませんでした。
でも、ベランダの手摺りに干した方がよく日が当たっていたこともあり、そこまで気を遣う必要があるのかと、何となくモヤモヤとした気分で布団やシーツを干すようになりました。
相変わらず彼女は顔を合わせると笑顔で声を掛けてきます。
私が気を遣って布団の干し方を変えたことをどう思っているのだろうとつい勘ぐってしまい、自分がちゃんと普通に話せているのか、引きつった顔で笑っていないかと変に意識するようになりました。
隣の家のペットへの愚痴は、相変わらず続いています。
私は依然と変わることのないよう意識して受け答えしているつもりです。
でも彼女の様子を見ながら、ここでは友達のように振る舞っていても、またどこかで誰かに私に対する文句を言っているのかもしれないと思ってしまいます。
何もなかったように話している彼女が怖くなってしまい、真っ直ぐに目を合わせて会話することができなくなってきました。
友達だと思っていた相手が、目の前にいるだけで息苦しく感じるようになるなんて...今はストレス源である彼女をできるだけ避けるようにしています。
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