<この体験記を書いた人>
ペンネーム:masako
性別:女
年齢:53
プロフィール:53歳の主婦です。56歳の夫と2人暮らしです。自費出版した本を買ってほしそうな友人に困っています。
53歳の主婦です。
子供はおらず、56歳の夫と2人暮らしです。
小説家になるのが夢でとある小説講座に通っていましたが、そこで出会った友人に困っています。
私が通っていた小説講座の生徒は、趣味ではなく、本気でプロの小説家を目指している方ばかりでした。
講師は出版界では実績をあげてきた60代の男性で、指導は厳しいですが的確だったと思います。
同じ夢を追いかける者同士が一つの教室に集まり、時には意見を戦わせ、時には励まし合いながら、切磋琢磨するのは楽しかったです。
ですが、今年(2020年)に入ってから、事情が変わりました。
講師が生徒に自費出版を「本を出せば、編集者の目にとまりやすくなる」などと、言葉たくみに勧めるようになったのです。
講師が勧める自費出版の費用は、相場よりもかなり安いのですが、それでも何十万とかかります。
私にはかなり高額です。
しかも、本を出すのは聞いたこともない出版社でした。
インターネットで知り合った小説仲間の話によれば、自費出版を勧める、あるいは希望があれば請け負う小説講座は、決して珍しくないそうです。
私たちの講師が、特別に悪質なわけではないと思います。
ですが昔と違い、今は自分の作品を発表できるサイトも多数存在します。
そんな中で、自費出版を迫る講師に対して、私は「仲介料で儲けようとしているのでは?」というきな臭さを感じてしまいました。
自費出版自体を否定するつもりはありませんが、プロになりたくて受講している私は、一瞬の迷いもなくお断りました。
ほとんどの生徒は私と同じように速攻で断ったのですが、1人だけ自費出版を依頼した女性がいました。
私と同じ年のAさんです。
Aさんは、普段は落ち着いた常識のある女性でなのですが、自分の本を出版できるという喜びにすっかり舞い上がってしまったようでした。
「これで、私も作家の仲間入り」と無邪気にはしゃいでいて、ちょっと怖くなりました。
そして1カ月後、Aさんが以前出版社に投稿し落選した作品を掲載した本(単行本)が刷り上がり、講座の最初にお披露目されました。
正直なところ、表紙はいかにも「フリー素材」といったイラストで、紙質も上質ではなく、チープな作りに感じました。
しかもアマチュアの落選作なのに、価格は3000円...。
そんな事情のため「授業が終わったら、販売会をするので買ってね」とAさんが言った瞬間に、急用のふりをして早退しました。
聞いた話によるとAさんはすっかり作家気分で、義理で買ってくれた受講生の1人が、頼まれてもいないのに本にサインをしたそうです。
私は一連の出来事ですっかり嫌気がさしてしまい、そのまま講座を辞めました。
Aさんの本は書店に流通されることもなく、身内に30冊くらい売れただけだったようですが、Aさんは諦めきれないようです。
「私の本、○○さんは面白いと言ってくれた」
「あと●冊売れたら、続編も出そうと思うの」
などなど、いかにも私に「買え」と言っているようなメールを、連日にわたり送ってきます。
ですが、私はアマチュアの落選作に3000円も払いたくないですし、ここで義理で買ってあげると、自費出版するたびに買わないといけなくなりそうです。
かといって、スルーするのも気が引けて、本当に困っています。
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