<この体験記を書いた人>
ペンネーム:梅の実
性別:女
年齢:49
プロフィール:面倒なことはあまり関わりたくない性分ですが、過去いくつかの職場では人間関係ウォッチングは密かな楽しみでした。
以前勤めていた会社にいた52歳の同僚女性Hは、上司(女性53歳)の元同僚で私の少し先輩にあたる人。
上司不在の時には、趣味の話をしまくる彼女。
ほんの数分話す程度なら「まあいいかな」と思うのですが、話している間に手が動くことはなく、「仕事とは全く関係のない話」をし続けるのです。
そして上司が席に戻ってくると、上司に「お疲れさまです〜」と話しかけて急に仕事の話を始め、さもずっと熱心に仕事をしていた印象を醸し出す、いわゆる外面のいい人でした。
私の席はその同僚Hとは離れていたのですが、嫌でも耳に入ってくるほどの大きな声で話しています。
そのため、私を含め周りにいるみんなから白い目で見られていたのですが、彼女自身はそれに気づかないのか、気にしていないようでした。
特に迷惑そうだったのは、私の同期である女性同僚K(46歳)。
彼女は同僚Hの隣の席でした。
毎日Hに話しかけられ、彼女は手を動かしながら相槌を打ったり少し話に付き合っていましたが、イラッとした時は席を外している様子でした。
そんな問題あるHですが、上司の元同僚でプライベートでも仲良しのようなので、上司に相談したくてもしづらい状況でした。
何か不都合が起きても取り繕うのがうまいので、周りが呆れてイライラする日が続いていました。
そんなある日、中途採用ですが私達より若い新人さん(38歳)が我が部署に入ってきました。
Hの無駄話に特に悩まされていたKが新人さんの面倒をみることになり、新人さんもHの側の席に。
もちろん新人研修中も、Hの「上司不在時の無駄話」は止まりませんでした。
そして、新人さんの1カ月の研修も終わりに近づいた頃のことです。
いつものように上司が離席している間、Hがこれまたいつものように手が止まったまま無駄話。
話題は自慢のサラサラロングヘアをキープするためのこだわりシャンプーとブラッシングのこと...聞きたくないけど耳に入ってきてしまうのです。
しばらくすると、会議を終えた上司が席に戻ってきて、Hは急に「○○さんの部署に行って対応してこなきゃ。その前にこれ仕上げないと、ふー」と忙しそうにし始めました。
新人さんが上司に声をかけたのはその時です。
「△△さん(上司)、お疲れさまです。そういえば△△さん、髪のお悩みについてランチの時お話しされていましたよね」
「うん。そうなのよね。年齢もあるだろうけど、ちょっと気になってきて...」
「Hさん、髪のお手入れを色々されていて、ついさっきまでオススメのシャンプーとか頭皮マッサージが購入できるウェブサイトをたくさん教えてくださったり、実際ブラッシングどうするかとか熱心に実演してくださいました。Hさん、すごく丁寧に教えてくださってありがとうございました!」
責めるのではなく、うれしそうにお礼を言ってくる新人さんに同僚Hも言葉に詰まってしまい「あ、うん...」と生返事。
上司はそんな彼女に厳しい目を向けました。
「そうなのね。けどそんな話はランチの時間とか会社の外でしてくれる? 新人さんも先輩だからって無理にそいういう話聞かなくていいから」
「はい」
Hはずっと無言でした。
会話を聞いていた周りの全員が、ホッとしたというかすっきり!
後日、Kとご飯を食べにいったとき、新人さんのあの発言は同僚Kが数週間かけて仕組んだということを知ったのです。
新人さんは、まだ社内事情を知らない私がみなさんの代わりに言わなければ! と思っていたところ、ちょうど上司から聞いていた話とHの話がリンクしたのであのように声をかけたそうです。
約3週間かけてKがじっくり仕込んだ痛快な仕返しですが、その用意周到ぶりに「Kは敵に回さず仲良くしておかないと」とも思ったのでした。
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