<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女
年齢:53
プロフィール:コロナ禍となり日常生活がガラリと変わり、これまでなかったトラブルも生まれます。
私には20代前半で1人暮らしをしている娘がいます。
コロナ禍となり少し経った頃、その娘から「暫く実家で生活したい」との連絡がありました。
理由を聞いてみると、万が一コロナにかかった時に1人では不安だし、もしも仕事がなくなったら経済的に厳しくなるからという事でした。
それについては親としても心配していましたので、気持ちは理解できます。
しかし、だからといって「OK、すぐ帰っておいで」とは言えません。
我が家には、年齢、持病、生まれ持っての体質など、ハイリスクと思える家族がいるものですから。
そんなわけで、「受け入れる」「受け入れない」のどちらを選ぶかどうかで迷うことになりました。
受け入れるを選べば、万が一娘が体調不良となった時すぐに対処できますし、仕事がなくなったとしても経済的な不安からは解放されます。
しかしその分、家の中がこれまで以上に「密」となり、家族全員のリスクが大きくなってしまいます。
さて、どうしたものかと考えた結果、次のような条件を作りました。
・三密を避けた生活を送る
・外出は必要最低限で我慢
・外出の度に手洗いうがいをする
・マスクの着用は必須
・毎朝検温する
このような「コロナ禍の生活様式」を守れるのかどうか、娘に一つずつ聞いてみました。
それに対して娘の返事は「コロナは怖いからかかりたくないと思っている。だから守る」とのことでした。
それなら問題ありませんので、OKを出しました。
ただ、お互いそれなりに準備が必要ですので、14日間の準備期間を持つ事にしました。
その間に新しい生活様式で生活してみること、毎日検温をして発熱がないかどうかを確認することの約束を取り付けました。
その上で問題なけれは戻って来ることに決めたのです。
そうして14日間がスタート。
しかしこの直後、私は悲しい現実を知ることとなりました。
なんと、約束を守ると言っていた娘は、友達に誘われれば大人数のお花見に参加する、友達の相談にのるという理由でバーに出向く、お友達の誕生日祝いと称してアウトレットモールに出かけるなど、約束とはほど遠い生活を送っていたのです。
これでは娘を受け入れることはできません。
なにより周囲に対して配慮のないことを、腹立たしく感じました。
それらの内容を直接娘に伝え、「今回は実家に戻ることは許さない」という決断を伝えました。
「約束を守らなかったのは自分が悪いと分かっている。だからと言って帰れないのはひどいと思う。実家なのに」
娘はとてもショックな様子で抗議をしてきました。
しかし私は怯みません。
なにせこれは命の問題ですから。
「約束を守る守らないの話をしているわけではない。約束を守らないことが誰かの命に関わってくるの。それは家族、友人、あるいは全然知らない人かもしれない。けど、それが誰であれ、自分の軽はずみな行動で人を危険にさらすのはあってはならない事なのよ」
はっきり言いました。
娘は「そこまで考えていなかった」と反省している様子でしたが、それでも決断を変えることはできません。
「だからこそルールを決めたの。守って欲しかったけどあなたは守らなかった。だから実家に帰れなくなった。大人の行動には責任が伴うのよ」
心を鬼にして改めて実家で受け入れないと告げました。
この時以来、数カ月が経過しましたが、娘は一度も実家に戻ることはなく、ずっと一人暮らしの家で生活しています。
今回の事を教訓に、大人としてとるべき行動を学び、コロナに感染しない、周囲のに感染させないための行動を身に着けて欲しいです。
そして、コロナ禍を無事乗り切って欲しいと願っています。
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