<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おこめ
性別:女
年齢:45
プロフィール:夫・子供二人・派遣社員で失業中。
コロナの影響で派遣契約が終了し、仕事がなくなってしまった私(45歳)。
ステイホームで太ってきたので、5月頃からコロナ太りを解消するために近所の公園にウォーキングに出かけています。
近所なので子供のママ友や知り合いにも会います。
みなさん常識がある方たちなので、ソーシャルディスタンスを保ちながら挨拶程度。
「コロナ早く収束しないかねー」とお決まりな言葉を交わす程度ですが、一瞬でも知り合いに会えるのはうれしく思いました。
私はだいたい朝の同じ時間にウォーキングに行くことにしていました。
日課として定着するようになると、顔見知りになる人がちらほら。
70歳くらいのおじいさんとも顔見知りになりました。
いつも笑顔で元気のよいおじいさん。
最初はあいさつ程度で、「おはよう!」と声をかけられて、やはり嬉しく思いました。
父と同じくらいの歳なので、田舎の父を思い出し、余計に嬉しかったのかもしれません。
...そう、最初は良かったんです。
ですが、日を追うごとに「お疲れ! 今日は暑いなー」と言いつつ近寄ってくるなど、だんだん距離が近くなっていきました。
うちの両親もそうですが、耳が遠いのか声が大きいおじいさん。
「暑いですねー」と返事をしてウォーキングを再開しようとしても、話を続けて暗に引き留めてきます。
コロナ禍で心細いんだろうな...と思い少し会話をして「では...」と立ち去ることが多くなりました。
もっと話してあげたいけれど、コロナが心配ですし、おじいさんはマスクをしているんですが、やや小さいサイズのようで、鼻は出っぱなし。
万が一私が感染していたら、感染させてしまうのでは...と怖くなります。
申し訳ないけれど感染リスクを避けて、ウォーキングの時間を朝からお昼にずらすことにしました。
ですが、おじいさんは長い時間公園にいるようで、お昼に行くと他のご老人と会話している姿を何度か見つけました。
この時間はあのおばあさんと話す時間なのかな?
しばらく見つからずにウォーキングを楽しむことができました。
ある日、ウォーキングで会うママ友から「おじいさんにつかまってたね!」なんていわれました。
実はこの公園では名物のおしゃべりおじいさんだったみたいです。
そして数日経った頃、「あれ? いたのかい?」と、おじいさんに見つかってしまいました。
とってもよい笑顔で話しかけてくれます、
「心配してたんだよ! 元気だったか?」
「はい」
そう言ってウォーキングを続けようとすると、おじいさんは私と並んで歩き出しました。
もっと話をしたいのか、話をしながらついてきます。
挨拶程度ならいいのですが、興味のない話題を楽しそうに大声で話されるのは...正直少し迷惑に感じてしまいました。
ですので「すみません」と強引に話を遮り、ウォーキングからジョギングに切り替え距離を取りました。
でも、その時のおじいさんの表情...。
本当に寂しそうな表情だったのです。
その悲し気な顔が頭から離れなれず...、私はなんだかすごく悲しい気持ちになりました。
それから、私はその公園には行くのをやめてしまいました。
おじいさん、本当にごめんなさい。
いつかコロナが落ち着いたら一緒にウォーキングしたいです。
長生きしてくださいね。
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