寂しそうな表情が頭から離れない...。コロナ禍の公園で「知り合ったおじいさん」に私がしてしまったこと

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:おこめ
性別:女
年齢:45
プロフィール:夫・子供二人・派遣社員で失業中。

寂しそうな表情が頭から離れない...。コロナ禍の公園で「知り合ったおじいさん」に私がしてしまったこと 20.jpg

コロナの影響で派遣契約が終了し、仕事がなくなってしまった私(45歳)。

ステイホームで太ってきたので、5月頃からコロナ太りを解消するために近所の公園にウォーキングに出かけています。

近所なので子供のママ友や知り合いにも会います。

みなさん常識がある方たちなので、ソーシャルディスタンスを保ちながら挨拶程度。

「コロナ早く収束しないかねー」とお決まりな言葉を交わす程度ですが、一瞬でも知り合いに会えるのはうれしく思いました。

私はだいたい朝の同じ時間にウォーキングに行くことにしていました。

日課として定着するようになると、顔見知りになる人がちらほら。

70歳くらいのおじいさんとも顔見知りになりました。

いつも笑顔で元気のよいおじいさん。

最初はあいさつ程度で、「おはよう!」と声をかけられて、やはり嬉しく思いました。

父と同じくらいの歳なので、田舎の父を思い出し、余計に嬉しかったのかもしれません。

...そう、最初は良かったんです。

ですが、日を追うごとに「お疲れ! 今日は暑いなー」と言いつつ近寄ってくるなど、だんだん距離が近くなっていきました。

うちの両親もそうですが、耳が遠いのか声が大きいおじいさん。

「暑いですねー」と返事をしてウォーキングを再開しようとしても、話を続けて暗に引き留めてきます。

コロナ禍で心細いんだろうな...と思い少し会話をして「では...」と立ち去ることが多くなりました。

もっと話してあげたいけれど、コロナが心配ですし、おじいさんはマスクをしているんですが、やや小さいサイズのようで、鼻は出っぱなし。

万が一私が感染していたら、感染させてしまうのでは...と怖くなります。

申し訳ないけれど感染リスクを避けて、ウォーキングの時間を朝からお昼にずらすことにしました。

ですが、おじいさんは長い時間公園にいるようで、お昼に行くと他のご老人と会話している姿を何度か見つけました。

この時間はあのおばあさんと話す時間なのかな?

しばらく見つからずにウォーキングを楽しむことができました。

ある日、ウォーキングで会うママ友から「おじいさんにつかまってたね!」なんていわれました。

実はこの公園では名物のおしゃべりおじいさんだったみたいです。

そして数日経った頃、「あれ? いたのかい?」と、おじいさんに見つかってしまいました。

とってもよい笑顔で話しかけてくれます、

「心配してたんだよ! 元気だったか?」

「はい」

そう言ってウォーキングを続けようとすると、おじいさんは私と並んで歩き出しました。

もっと話をしたいのか、話をしながらついてきます。

挨拶程度ならいいのですが、興味のない話題を楽しそうに大声で話されるのは...正直少し迷惑に感じてしまいました。

ですので「すみません」と強引に話を遮り、ウォーキングからジョギングに切り替え距離を取りました。

でも、その時のおじいさんの表情...。

本当に寂しそうな表情だったのです。

その悲し気な顔が頭から離れなれず...、私はなんだかすごく悲しい気持ちになりました。

それから、私はその公園には行くのをやめてしまいました。

おじいさん、本当にごめんなさい。

いつかコロナが落ち着いたら一緒にウォーキングしたいです。

長生きしてくださいね。

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