<この体験記を書いた人>
ペンネーム:りんご
性別:女
年齢:43
プロフィール:主婦です。5歳上の夫、娘2人、犬1匹の5人家族です。パートと家事に忙しいですが趣味の裁縫を楽しんでいます。
時々、夫に買い物を頼むことがあります。
買い物といっても、味噌やマヨネーズなどうっかり切らしてしまった時にお願いする程度で、気がよい夫は、いつも快く応じてくれます。
ただし、おつかいを頼む時には、覚悟が必要です。
なぜなら夫はコンビニが大好きで、おつかいついでにお菓子や飲み物、雑誌などをたくさん買ってくるのです。
たまにのことなので文句は言いませんが、いつも頼んだ物の何倍もの大きな袋を下げてかえってくるので呆れてしまいます。
先日もお醤油を切らしてしまい、私は料理中で手が離せなかったので、夫に買い物を頼みました。
夫は財布をポケットに入れて出かけたのですが、時間が経つにつれて嫌な予感がしました。
近くのスーパーまでは車で5分程度です。
電話をかけたのですが、夫は出ませんでした。
それから30分がすぎてようやく帰ってきた夫に「遅かったのね、どこに...」と言いかけて私は目を疑いました。
夫は電気店の袋を下げて、手には醤油を一本持っていたのです。
「これ、いいだろう。買っちゃったよ」
夫はやけに嬉しそうでしたが、私は理解ができません。
「電気屋に寄ってたの? 一体何を買ってきたの?」
混乱して作った料理のこともすっかり忘れていました。
夫が買ってきたものはなんと、電気で筋肉を鍛え、体を引き締めるというテレビの通販でよく見るあの商品でした。
値段も決して安いわけではありません。
言葉を失いあきれ返る私をよそに、夫は「これでお腹を引っ込めるぞ」と張り切っています。
そんな姿に怒りが込み上げてきました。
多少高価なものを買う時は、私は夫に相談します。
衝動買いしたくても思いとどまります。
それで我慢してきたものがたくさんあるのに、何も気にせずに無駄遣いをする夫を睨みつけました。
「今度から頼まれたものだけを買ってきてください。勝手に好きなものを買ってこないで!」
つい大きな声を出してしまいました。
夫は、そんなに怒ることじゃないと反省どころか、むしろ私の話を聞かないでそのマシーンに夢中でした。
怒りが頂点に達し、私は夫に提案しました。
それは、「夫のお腹が引っ込むまで、その機械を毎日必ず使うこと」です。
夫は快諾し、健康グッズを使ったダイエットが始まりました。
私は悔しかったので、もう一つ決め事をしました。
それは夕食をおかず一品、ご飯半膳の少食メニューにすることでした。
私と娘たちは、いつもと同じ夕食です。
「そんなに痩せたいなら協力するわ」と嫌味とエールを込めて伝えつつ、いつ謝ってくるかとほくそ笑んでいました。
一週間ほど少食メニューを続けた頃に夫は観念したようで、「ごめんね。これからは君に相談して買い物するよ。もう許してくれよ」と謝ってきました。
かわいそうなので、二週間目からは健康的なダイエットメニューを作ってあげ、応援することにしました。
夫も多少痩せて、無駄遣いも減ったので一石二鳥というところでしょうか。
私の作戦は成功しました。
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