<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みぃや
性別:女
年齢:47
プロフィール:23歳で授かり婚をして、4人の子供に恵まれるも12年ほどで離婚。親権を男の子2人を元主人が、女の子2人を私がという形で分けました。現在は子供もみな独立し、孫も2人います。
私は現在47歳。
3年ほど前まで勤めていた前職で約8年間、パソコンのメンテナンスをしていました。
メモリの交換や、動作チェック、データの移行などあらゆる仕事を、人手不足もあってほとんど1人でこなしていました。
ある時私は、足の手術で数週間お休みをしました。
そして職場に復帰すると、デスクの上にノートパソコンの山、山、山...。
所長からの丸投げ案件です。
「そのパソコンのデータ、消しておいてねー」
全部で6、7台あったと思います。
そのほかにハードのアップデートなども1人でこなします。
もう何でも屋でした。
一番大変だったのは、業務用ルーターの初期化でした。
ルーターとは一つのモデムから、複数台のパソコンを一度に接続できる分配器のようなものです。
パソコンのことはある程度何でもこなせますが、業務用ルーターとなると話は別です。
パソコンと接続して、ルーターの内部にコマンド(命令)を出して入り込み、工場出荷状態(初期化)にするのは結構大変でした。
ネット上のあらゆる情報を調べ、格闘しました。
何とか工場出荷状態に戻して「終わりました」と所長に声をかけると、「それ、オークションに出品しておいて」とまたも丸投げ。
もう、笑うしかありません。
所長は私よりも若く、物腰も柔らかいのですが、目の前に仕事があるととにかく誰かに割り振って、自分は補佐に回る...と考えている人でした。
まあそう考えると、私は自力で何とか解決するタイプだったので、所長としては楽に使える人員だったのかもしれません。
だから、所長からの仕事の指示は「○○しておいてね」の一言だけ。
丸投げされたほうの私は目が回るほど忙しく、一日の仕事が終わる頃には、生気を吸い取られたかのようでした。
でも...所長は憎めない!
仕事以外ではめちゃくちゃ優しいんです。
職場で福利厚生の一環として、みんなで回転寿司を食べに行った時のことです。
そこの回転寿司はよいネタを出す分、一皿の値段が高く、一番高いお皿は500円を超えるんです。
その高いお皿の中に、私の大好きなウニもありました。
回転寿司に行く時に「好きなものを好きなだけ食べていいよ」と言われたので、私は「じゃあ、ウニ、ウニ、いくら、ウニ、いくらって食べますね」と言ってみたところ「いいよ」と笑顔の所長。
実際にはそんなことしませんでしたが、かなりの金額を私1人で食べました。
それでも「よく食べるねぇ」と笑って済ませてくれるのです。
こんな人なら普段の無茶ぶりも許せる! と思った私。
でも今思うと...飴と鞭だったのかな?
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