<この体験記を書いた人>
ペンネーム:konohana
性別:53
年齢:女
プロフィール:専業主婦です。55歳の会社員の夫と20歳の大学生の息子と3人暮らしです。
53歳の主婦です。
我が家には一浪し、2020年の春に大学に合格した20歳の息子がいます。
子供に甘い我が家は、いつも息子中心の生活になってしまいます。
受験生時代、特に浪人中はとても気を遣いました。
私は息子の中学高校は6年間お弁当づくりに追われ、高校を卒業したらやっと解放されるはずでした。
しかし、浪人生になった息子は予備校に通い始め、またもやお弁当生活です。
朝は、息子に言われた時間に起こし、夜は9時に帰宅。
すぐに入浴するので、お風呂の準備。
お風呂の時間帯だけインターネットが使えるようセットしているので、息子は1時間はスマホでネットをして出てきません。
そのため、夕食は10時。
先に食べていてもいいのですが、夫(55歳)も私も気が引けて、息子がお風呂から出るのを待って夕食です。
夜10時の夕食は、ただでさえ胃腸の弱い私には辛かった。
翌朝、たいてい胃もたれしていました。
ですが、もちろん息子も頑張っていたのです!
ついに大学に合格しました!
長かった受検時代は終わりました!
さて、これからは息子も大学生、今までのように気を遣うこともない。
自分のペースを取り戻そうと思っていた矢先に...、そう、新型コロナウイルスがありました。
せっかく大学に合格したのに、入学式も、サークルの新歓イベントも、すべて中止。
授業にいたってはオンラインです。
友達も作れずに始まった大学生活。
今から思えば、息子はあまりにかわいそうな状況にいました。
しかし、その頃の私は、息子たち新大学生がいかに辛い想いをしているのかを、本当にはわかっていませんでした。
緊急事態宣言が出されると、オンライン授業を受ける息子はずっと家にいます。
息子はとにかく起きなくなりました。
「8時だよ」と声をかけると「わかった~」と間のびした声で返事はするのですが、起きません。
それでも「お昼ご飯できたよ」と呼べば出てきます。
「夕ご飯できたよ」で出てきます。
それ以外はずっと自分の部屋にいます。
どうやらひたすら寝ているようなのです。
在宅勤務の夫も首をかしげていました。
やれやれ、この豹変ぶりはどうしたことか。
親も巻き込んで、あんなに自分の時間割通りに生活していたのに。
もっと何かやることを見つけて有意義に過ごせばいいのに!
受験勉強を必死に頑張っていた姿を思うと、無気力でだらだらした生活を送る息子がなんとも歯がゆく、時間を無駄にしている気がして仕方なかったのです。
そうこうするうちに、緊急事態宣が解除されました。
夫も通勤を始め、世の中も少しずつ日常を取り戻してきました。
それから数日して、息子は朝、自分で起きてきて朝食を食べました。
今までは、朝昼兼用でした。
そして、ふいに「僕、塾でバイトしようかな」と言い出しました。
そして「僕、お皿を洗うよ。毎日洗う」と言ったかと思うと、更に「ちょっと飲んでみようかな」と冷蔵庫から缶チューハイを取り出しました。
友達と電話をしながら飲んでみたいのだとか。
夫も私も顔を合わせて、目を丸くし、そして笑ってしまいました。
やっと、息子が息を吹き返したのです。
嬉しくて笑いました。
そして、反省。
息子の気持ちをわかっていなかったなあ。
自粛生活の中、萎れながらも、どうすればいいか自分なりに考えていたんだね。
本当にごめんね。
息子は、いつだって自分なりに走っていた、頑張っていたのです。
それを知っていたのに、さぼっていると思ってしまってごめんね。
子育てしていて、今までもいろんなことがあって反省することがあったけれど、今回はかなり胸に堪える出来事でした。
関連の体験記:休校の子どもたちと「三食」自宅で食べると食費が...そんな時に現れた我が家の「救世主」は...?
関連の体験記:「おなかが痛い」3日後に高校受験の息子を襲った悲劇と、逆境でもたらされた奇跡
関連の体験記:息子よ、自分の意思はないの? 3歳年上の妻のクレームをそのままメールしてくる姿にガックリ
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。