こんにちは。ブログ「キッチン夫婦」を運営している夫のKです。
前回の記事:中学、高校と息苦しかったな...。実家を片づけながら思い巡った「あの頃の私、今の私」/キッチン夫婦(妻)
私は宮城県仙台市生まれ。
仙台のお土産といえば「牛タン」「かまぼこ」「ずんだ餅」が三大名物だ。
駅や高速道路のパーキングの売店を見ていると、以前は牛タンを陳列しているスペースが断トツに広かったが、最近はずんだ餅のスペースが広がっている気がする。
今回は、地元のソウルフード「ずんだ餅」とそれを愛した祖母、また「ずんだシェイク」の作り方を書いてみようと思う。
北三陸を舞台にしたNHK連続テレビ小説「あまちゃんで」主人公のアキがおばあちゃんのことを常に「夏ばっぱ」と読んでいたが、私も自分のおばあちゃんのことを「ばっぱ」と呼んでいた。
「ずんだ餅」というと、私が大学生の頃に亡くなった「ばっぱ」の記憶がよみがえってくる。
当時両親は洋服屋の経営で忙しく、私と二人の弟はばっぱに育てられたようなものだった。
そのばっぱはかなり豪快なおばあちゃんで、自分の事を「俺」と呼んでいた。
兄弟の誰かが何か悪さをすると注意され、それでも言うことを聞かないと、怒ったばっぱは包丁を持って追いかけてきたのものだ。
今なら問題行動と受け取られるかもしれないが、その頃はけっこう普通だった。
そしてばっぱは力強さと頼りがいのある女性だった。
そんなばっぱは甘いものが大好きで何かにつけて食べたがったのが「ずんだ餅」だ。
50年位前には当然コンビニはないし、ケーキ屋なども少なかった。
甘い物と言えば団子などの和菓子が中心の時代だった。
だが、団子や餅の中でもずんだ餅はそれほど人気ではなかった気がする。
今でこそずんだを扱う有名店もあるが、私の幼い頃はそこまで人気があったとは思えない。
でも、うちのばっぱときたら何をおいてもずんだ餅が好きで、これを買ってくると機嫌が良くなった。
妻にこの話をすると
「私の周りでもそうだよ、私から見たおじいちゃん、おばあちゃん世代にとってはずんだ餅は特別みたいだよ。何かお祝いとか区切りの時に嬉しそうに食べてるよ」
と教えてくれた。
その話を聞いて調べてみると、東北地方の餅文化の影響もあるのだとわかった。
ばっぱは農家の生まれで、この頃のお祝い事の食べ物の中心は餅だったのだ。
冠婚葬祭、来客のもてなし、農作業の始めや終わりなのには必ず餅を食べて、それが何よりのご馳走だったそうだ。
ずんだ餅は枝豆をすりつぶし砂糖と塩を混ぜて作る。
他の餅類に比べて手間がかかるので家族全員総出で楽しみながら昔は作った物らしい。
子供の頃は何を言ってるか気にせずにいたが、思い出してみれば、ばっぱはいつも「ずんだは三国一のごっつぉう(ご馳走)だ!」と言いながら食べていた。
それは昔から沁みついた、お祝いの時にだけ食べる思い出のある餅だからだったのだろう。
そして、全国的には有名ではなかったずんだ餅が一躍有名になるきっかけがあった。
NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」だ。
1987年放映で政宗役の渡辺謙さんの出世作であり平均視聴率39.7%は大河ドラマの歴代トップを誇っている。
この事は宮城県人の誇りでもあり、このドラマのおかげで宮城県に観光客がどっと押し寄せた。
その時に地元の店が仙台でも一部の店でしか売っていなかったずんだ餅を観光客向けと名物として売り出し、それが大ヒットして全国に広がる事になったらしい。
さらに、2015年にマツコデラックスさんが番組で「ずんだシェイク」を絶賛し、大ブレークが起きた。
私はずんだ餅の食感と甘さが苦手だったが、ブームになって初めて飲んだ「ずんだシェイク」は格別なおいしさだった。
シェイクにすることで粒々の豆の食感が良いアクセントになり、アイスと組み合わせにすることで優しい甘みに変化した。
「これは美味しい!」
ばっぱが「ずんだ餅が食ぃでぃな~」と言ってるのを聞いて、なんで?と思っていたのだが、今はずんだシェイクのおかげでずんだ餅まで好きになった。
ずんだシェイクは冷凍枝豆で簡単に作ることができる。
さっぱりとした飲み心地は男性にも人気だそうだ。
冷凍枝豆で作るずんだシェイク
材料(2~3人分)
◎市販の冷凍塩茹で枝豆...270~300g(正味)
◎きび砂糖(上白糖)...大さじ1(お砂糖なしでも大丈夫、お好みで)
◎バニラアイス...300ml
◎牛乳...400ml
作り方
①冷凍枝豆を袋の表示通り解凍し(レンチン可)、さやから取り出す。
②皮をむく。(ボウルに水をはった中でするとむきやすい)
③ミキサーに皮をむいた枝豆(②)ときび砂糖を入れ、ペースト状にする。(つぶつぶは残ってて良い)
④あんができたら牛乳とバニラアイスと一緒にミキサーにかければ出来上がり。
※あんは多く作って冷凍しておくと次回よりスピーディーに作れます。
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