<この体験記を書いた人>
ペンネーム:こいぬ
性別:女
年齢:44
プロフィール:夫、子供2人。コロナでただいま失業中。
あれは4年前、当時38歳の私はとある大手企業の受付に勤めていました。
受付の人数は12人。
下は20代、上は50代と幅広い年齢層でした。
制服はベストとひざ丈のスカートで、ちょっと恥ずかしい気持ちもありましたが、とても可愛くてテンションが上がりました。
ですがそんな可愛い制服なのに、リニューアルすることになりました。
新しい制服はウエストが少しゆったりとしていて、ちょっと太って見えるワンピース。
そして、以前よりもスカートが少し短くなりましたが、受付なので座っていることが多いため、気にならない程度でした。
そんな受付に、最年長のNさんという方がいました。
50歳を過ぎていますが、とっても美人で、肌もつやつや。
バブルの時代を堪能したと、いつも思い出話に花を咲かせる方でした。
自分に自信があり、男性からもモテはやされて生きてきたんだと思います。
ある日新しい制服をみんなで順番に試着する日がありました。
S、M、Lサイズのどれかを選ぶためです。
Nさんは「私、着たいです!」といの一番に制服を受け取り、更衣室に向かいました。
しかし、試着するのに時間がかかるかかる......今、仕事中なんですけど。
みんなとりあえず待ちました。
そしてやっと戻ってきたNさんは「やだースカートが短すぎる!」と騒ぎ出しました。
私たち女性陣に膝上スカートが恥ずかしいと何度も何度も......。
Nさんは毎日黒のタイツ履いてるので、あまり気にならないのではと思いつつも、「足がきれいだから似合いますよ」と私が言うと、「私は膝上スカート履く歳じゃないのよ!」とNさん。
いやいや......わかってます、そんなこと。
心の中でそう思いながら「じゃあ次の試着はあなたね」とリーダーに言われる私。
着替えに行きたいんですけど、Nさんがまだ騒いで脱がないんです......。
とりあえずNさんと一緒に更衣室に向かう私。
同じMサイズを試着したいので、Nさんが脱いでくれないと私が着れません。
誰も見てないよ! と本当に言いたかったんですが、年下なのでぐっと我慢。
「早く戻らないとリーダーに怒られますよ」
リーダーのせいにして、やっと脱いでもらいましたが、Nさんは試着した私を見て、ぶつぶつ言っています。
「なんでこんな形を選んだのかしら? 今時じゃないわよね。うん、ウエストは絞ったほうがいいわね。どうやって絞ろうかしら?」
助けて~! 私を使ってウエストの絞り方を考えないで! またどつぼにハマりそう!
「私はわからないのでみんなと相談してみましょ!」
その場は逃げ、そのまま脱いで戻りました。
結局、Nさんの試着にかかった時間は1時間。
受付のみんなはNさんの性格を知っているので「思ったより(戻り)早かったね」と笑っていましたが、他のみんなは後日試着となりました。
そして、新しい制服を着る日がきました。
一新するとまた可愛く見えて、みんなで着たら短くても怖くない! といった気持ちにもなりました。
そして遅番で出社したNさん。
あれ? ウエストがしぼってある!?
なんと、自分で安全ピンなどで内側からしぼって、制服をカスタマイズしていたのです。
「こっちのが可愛いでしょ?」満面の笑みの美魔女Nさん。
「どうでもいいよ!」と心の中で叫び、あとで受付のみんなで大爆笑しました。
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