<この体験記を書いた人>
ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:57歳の夫と2人の子供と暮らすパートの主婦です。
私も早、52歳。
更年期に入り、いろいろな体の不調が増えてきた中、ある日、ふと舌の裏側にチクチクとした痛みを感じました。
よく舌先や頬の内側を間違って噛んでしまい口内炎になることが多いので、「また気づかないうちに噛んだのかな?」と思いました。
とりあえず確認しようと、洗面所の鏡の前で「あーん」と大口をあけて舌を上げて裏を見ると、そこにあったのは米粒大の黒いできもの。
間違って噛んだのなら赤くなっているか、それを通り越して白くなっているかのどちらかです。
なのに、あるのは禍々しささえ感じる黒々としたできもの。
「え、えええっ!? ナニコレ!?」
もう、サアっと一気に血の気が引きました。
真っ先に浮かんだのは『ガン』の二文字。
同年代の芸能人の方が舌ガンになったというニュースを、以前テレビのワイドショーで見て怖いなぁと思っていたので、真っ先に浮かんでしまったのです。
家に誰かいれば相談したのですが、あいにく夫は仕事のため夜にならないと帰ってきません。
20歳の娘も出かけていてやはり帰宅は夜の予定。
中学生の息子は学校ですが、さすがに家にいても相談できません。
実家の年老いた両親に変な心配をかけるわけにもいかず、他に『舌の裏に黒いできものがあるんだけど何だと思う?』などという相談をできる人物は思い浮かばず。
どうしよう、どうしようと、おろおろしているうちに、チクチクする程度だった痛みはズキズキと大きく進化。
舌の裏の違和感もどんどん大きくなってきてしまいました。
おそるおそる再び鏡で舌の裏を見てみると、なんと、米粒大だった黒い出来物が小豆大に成長しているではありませんか。
『うわー!?』と恐れ慄きながらも、どうにか落ち着きを取り戻し、とりあえず同じ症例がないかネットで検索してみることにしました。
すると、まず目に飛び込んできたのは『舌ガン』の文字。
舌先に米粒大の黒いできものができて、実はそれがガンだったという方の手記を読んでますます不安に。
次に同じようなできものの画像はないかと思い検索をかけると、出てくるのは想像したこともないグロテスクなできものの写真ばかり。
「もしかして、このできものが進行すると、こんなふうになるの!?」と根拠のない不安がますます膨れ上がりました。
これは、もう病院に行くしかない、と思いましたが、いったい何科に行けばいいのでしょう?
歯科? 皮膚科? 耳鼻咽喉科? それとも口腔外科?
一番近所にあるのは歯科ですが、果たして歯医者さんで舌のできものを見てくれるのか分かりません。
病院選びに迷っていると、今度は突然何やら口の中に血の味が広がりました。
驚いてうがいをしてみると、確かにどこからか出血しています。
まさかと思い舌の裏を鏡で見てみると、さっきまであった小豆大の黒いできものが跡形もなく消えているではありませんか。
代わりに、小さな赤い傷が残っていて、少し血が滲んでいました。
「え? もしかして、ただの血の塊だったの? 血豆的なもの?」
私の想像は、その後受診した口腔外科の先生の診断で正しいことが証明されました。
ただの「血豆」だったのです。
誤って噛んでしまうとできることがあるそうです。
それにしても、舌の裏にも血豆ができるものなんですね......。
色々な病気を経験してきましたが、まだまだ知らないことは沢山ありそうです。
52歳にして、ここ最近にない肝が冷えた体験でした。
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