<この体験記を書いた人>
ペンネーム:かばこ
性別:女
年齢:53
プロフィール:ある日突然、夫が泣き顔で呟きました。
これは2019年の初秋に起こった出来事です。
私の夫は50代後半。
お酒が好きで毎日の晩酌を楽しみにしています。
そして私は50代前半。
お酒は飲めませんが、夫の晩酌にお茶などで付き合うのを楽しみにしています。
その日も、いつも通り晩酌の時間がやってきました。
週末だったこともあり、いつもより晩酌の時間も長くなっていました。
すると、夫は少し酔いが回ったようで、突然こんな言葉を口にしたのです。
「僕の優しい奥さん。もうこれ以上強くならないでね」
ちょっと泣き顔にも見える表情と、あまりに突然の言葉にびっくりした私。
いったい何でそんなことを言うのか夫に聞いてみたところ、私はこの十数年の間に随分と強い性格になってしまったというではありませんか。
そんな事言われても、私は全く自覚がありませんので、「それホント?」といぶかしく思いつつも色々と振り返ってみることに。
すると、思い当たることがたくさんあったのです。
実は、この10年間、我が家は「激動の時期」を迎えていました。
当時まだ学生だった娘の妊娠と結婚。
ほどなく起こった娘夫婦のトラブルと離婚。
その後、実家である我が家に戻ってきた娘と、孫たちと共に始まった新しい生活。
あるいは、実家で勃発した数々の問題とそれへの対応で奔走しながら過ごした日々。
そして、私自身の健康状態の悪化...などなど。
本当に数え切れないほどの大きな問題に直面したのですが、仕事に忙殺される夫にはなかなか頼ることができず、そのほとんどを私が一手に引き受ける形となっていました。
きっとこの経験が、知らず知らずに私を強くしたのでしょう。
そして、仕事があったとはいえ、サポートしてくれなかった夫に対して、どこか心の中で不満を抱えていたのかもしれません。
それが夫への強い態度として現れていたのが、「強さ」として夫の目に映っていたのだと気づいたのです。
結婚したら女は強くなると言われますが、そりゃそうです。
こんな風に危機を乗り越えていけば強くなるのは当然です。
だって結婚するということは、良い部分も悪い部分も相手の全てを受け入れるということなのですから。
恋人同士の時みたいに、楽しいことばかりとはいかないのです。
全ては家族を守るため。
強くならなければやっていけないのです。
きっとこの事は、仕事漬けだった夫には理解できないのでしょう。
そう考えるとモヤモヤ半分、でも納得半分という何とも歯切れの悪い感情が私を支配しました。
でもきっと、夫は昔みたいにただただ優しくされたいだけ。
これからは、夫の望む優しい奥さんでいられるよう、「昔の自分」を少しだけ思い出してみたいと思います。
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