<この体験記を書いた人>
ペンネーム:はっち
性別:女
年齢:50
プロフィール:公務員をしています。
車で一時間ほどの実家に住んでいる、80歳になる父とのお話です。
昨年の夏に、78歳になる母が認知症を患い施設に入りました。
病院の診察や相談などを考慮しつつ、施設選びは父と私で話し合って決めました。
入所した施設は実家から車で20分の所にあり、父は毎日のように面会に出掛けています。
私も頻繁に顔を出したいと思っていますが仕事もあり、週イチが精いっぱい。
でも、父と一人娘の私とで、できることはやってきました。
そんな去年の暮れのことです。
父がこう言い出しました。
「お正月の間は母を自宅に連れて来たい」
咄嗟に「それはいいね」と言いそうになったのですが...母が帰宅した時の生活を想像してみると、簡単には賛成しかねるな、と思ったのです。
というのも、母が入所してから数カ月、施設での生活を見てきて、「認知症の介護」は想像以上に大変だと感じていたからです。
食事を食べたばかりなのに「ご飯を食べてない」と何度も催促。
それなのに、いざ食事になると「もう食べたからいらない」と食べてくれない。
さらに目に付いた物を口に入れてしまう時もある...。
こんな様子なのです。
施設のスタッフさんは慣れているのか、そんな母に戸惑う様子もなく対処し、目を配ってくれています。
でも、父が一人で暮らす実家に母を連れて来て、きちんと母の面倒を見ることが出来るでしょうか?
入所してから父や私の顔も分からない時もある母。
施設に慣れてきたところで環境が変わると、戸惑って予想外の事をするかもしれません。
私も泊まり込んで一緒に世話が出来ればいいのですが、公務員で現在の職場が三交代勤務のため、どうしても行けない日ができてしまいます。
子供は私一人。近くに頼れる親戚もいません。
そう考えた結果、私は父が一人で母の世話を見るのは難しいと判断。
残念ですが「無理だ」と父に反対したのですが...。
「もう口出しするな。来なくていい。俺がやりたいようにやる!」
父が激怒してしまったのです。
私も私で、父の剣幕に腹が立ち、売り言葉に買い言葉で「じゃあ、もう知らないよ!」と言い返してしまいました...。
それ以来、父とは会っていません。
結局、お正月も母が帰宅したのかすら聞いていない自分...大人気ないと思っています。
反対するにしても、父にもっと丁寧に理由を説明すべきでした。
父が一人で頑張って疲れが出ていないかも気になり、関係を修復したい気持ちもあります。
でも、これまで私も一緒に努力してきたのに、おせっかいを焼いていたかのような「口出しするな」という言葉のわだかまりが残っているのも確かです。
このままではいけないと思いつつも、上手い切り出し方が分からずにモヤモヤしています。
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