<この体験記を書いた人>
ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:最近、老いた実家の両親のことが気がかりな、2人の子ども&夫と暮らすマイペース母さんです。
このごろ物忘れがひどい、実家の父(74歳)。
つい最近も、実家から車で30分ほどの距離にある我が家へドライブがてら遊びにくるといって辿り着かず、6時間ほど我が家の回り、30kmぐらいの範囲をぐるぐると回ったことがあったばかり。
あの時は、「プロドライバーだったお父さんが、車で道に迷うなんて、ずいぶん老いたんだなぁ...」と、痛感させられましたが、またもや父の老いを感じさせる出来事がありました。
つい先日のこと、父から親戚の叔母(70歳)が病気で亡くなったと電話がありました。
叔母は父の弟のお嫁さん、つまり義理の妹で、実家の近所に住んでいて、親戚の中でも比較的交流が多かった人です。
叔父は既に亡くなっており、喪主は叔母の息子です。
葬式の日程が決まったら連絡をくれることになりました。
恰幅が良くて元気な叔母が亡くなったと聞いて私もショックでしたが、父も年下の叔母が亡くなったことが大分ショックのようで、電話の声に元気がありませんでした。
近しい人がなくなるのは、本当に寂しいことです。
ともあれ、まずは葬儀です。
「分かった。じゃあ、葬式の日程が決まったら教えてね」と言って電話を切りました。
ところが、2日経っても3日経っても父からの連絡が来ません。
葬儀場の予約がとれないのかな?
そう思っていると、4日目の夕方、私のスマホがなりました。
表示を見てみると、実家を継いでいる私の弟からの電話です。
確か、前回弟から電話があったのは、父が散歩中に転んで頭を打って救急車で病院に搬送されたとき。
あの時の悪夢がよみがえり、あわてて電話に出ました。
すると...思いもかけない弟の言葉が!
「姉さん、今日のおばちゃんの葬式、どうして来なかったの?」
心配気に問われて、びっくり仰天。
「えっ!? 葬式って、今日だったの!?」
思わず大きな声で問えば、弟から「うん。さっき、斎場から叔母さんちに戻って、親戚みんなでお茶のんでるところ」との信じられない返事が返って来たではありませんか。
そうです。
実家の父は、私に叔母が亡くなったことは伝えましたが、葬儀の日程を伝えるのを、きれいに忘れていたのです。
まさか、親戚一同が会している場で父の物忘れのせいで、私が葬式に来なかったとは言えません。
とりあえず私は「急に体調が悪くなり、葬儀に来られなくなった」ということにして、弟に香典を出しておいてもらうことに。
世話になった叔母の葬式に参列できなかったこともショックでしたが、それ以上に、父の物忘れが「グレードアップ」していることに、もっとショックを受けました。
これは近々、父のことで話し合う場を弟と設けなければと、心ひそかに決意しました。
弟からの電話をきったすぐ後、今度は父から電話が入りました。
「ああ、私に連絡し忘れたことに気付いて電話してきたんだな」と思って出てみると...
「なんで葬式にこなかったんだ?」
不審げな父の声が聞こえて、思わずがっくりと肩を落としてしまいました。
「連絡、貰ってないよ、お父さん...」と、私が言えば、父はしばらく沈黙したあと「あれ? そうだったか?」と、この期に及んでも不審げな様子。
まさか、私が葬儀に来てない段階で、私に連絡し忘れたことを思い出せないなんて。
これはいよいよ弟との話し合いが必要だと、改めて感じました。
父はもうじき75歳。
思えば、娘の私がもう52歳のいい年のおばさんなのですから、父も老いるはずです。
今まで以上に、マメに実家に顔をだそうと心に決めた、そんな出来事でした。
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