<この体験記を書いた人>
ペンネーム:らい子
性別:女
年齢:66
プロフィール:年金生活が始まり、たまにできる贅沢を楽しみに節約を日々がんばっています。
夫と私は同い年で、去年、夫が定年退職しました。
夫は仕事人間で、大学を卒業してからずっと仕事一筋で生きてきました。
朝から晩まで仕事で、30代のころは徹夜もざらにありました。
一生懸命がんばっていた成果が認められてでしょう。
出世もし、大手企業で部長職まで勤めあげました。
部下からも慕われていたようで「後輩から飲みに誘われたから」と出かけていくこともありました。
娘と息子がおり、私は専業主婦だったので、今でいうワンオペ育児でしたが、夫が子どもを愛してくれているのはしっかりと分かっていたので、苦ではありませんでした。
パートをしないでいいだけ稼いできてくれ、子育てを思い切りさせてもらったことに大変感謝しています。
しかし、定年退職後の夫は趣味もなく、友達も少ないためずっと家にいます。
朝食を食べ、その後新聞を読み、テレビを見てから昼食、そして晩御飯までテレビを見るかパソコンを触り、夕飯を食べて風呂に入って眠る......ただそれだけの日々を過ごしています。
今までずっと仕事ばかりだったから、辞めた後はゆっくりしたいのかなと思い、始めこそ思う存分ゆっくりすればいいと思っていました。
ですが、いざこの生活を隣でされると、輝いていた時期とどうしても比べてしまいます。
私は友達と遊んだり、ジムへ通ったり、家の片づけをしたり、スーパーへ買い出しへいったりとなんだかんだ慌ただしい生活を送っております。
この慌ただしさが心地よいのですが、夫が家でぼーっとしているのを見ると、残りの人生を無駄にしている気がするし、私だけ忙しいのが申し訳ないような気がしてしまいます。
また、健康面でも不安があります。
何もしないでいると老いが一気に加速しているような感じがします。
現に、仕事をしていたころより、反応が遅くなっているような気がします。
ジムに通うことや趣味を作ること、公園への散歩等を提案してみましたが、乗り気ではありません。
一方で、私が「スーパーや本屋に行ってくる」と言うと、一緒に来たがります。
夫がずっとテレビをつけていて家では一人になれないから、用事を作って外出しようとしているのに...そういったことには、全く気づいてくれません。
主人のことは好きですし、感謝もしています。
しかし、これから先もこんな生活が続くと思うと、息が詰まってしまいます。
私も夫も生い先長くはありません。
もっと生き生きと生活してくれれば嬉しいし、そんな夫ならもっと好きになれそうなのになぁと思います。
仕事をしていたときが格好よかっただけに、今の姿になんだか虚しさを感じます。
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