<この体験記を書いた人>
ペンネーム:しのぶ
性別:女
年齢:45
プロフィール:パートで働く主婦です。料理のレパートリーが増えて嬉しいです。
13年前、100軒ほどの家が立ち並ぶ新興住宅地に家を買いました。
築10年ほど経ったとき、前の家が引越し、私より年上の夫婦が家を買いました。
挨拶の時はにこやかで、我が家には息子が二人いるので騒がしくて迷惑かもしれないと伝えたところ、「子どもは元気が一番」と言ってくださり、心底安心したことを覚えています。
良いご近所さんがで良かったと思いました。
しかし実際は...ただのおしゃべりが好きなおばさんだったのです。
草取りや家庭菜園、DIYなどで、家の外にいることが多いその方。
最初は「アクティブなんだな」くらいにしか思っていなかったのですが、遭遇すると必ずたわいもないおしゃべりに付き合わされます。
スーパーの特売情報や新しくオープンするお店などのどうでもよい話題だけでなく、住宅地内の噂や愚痴など、できれば聞きたくない話までしてきます。
しかも話し出すと止まらず、放っておくと一時間は話し続けます。
家の外にいることが多い理由は、おそらく誰かが通るのを待ち伏せしているからだなということに気づいてしまいました。
同じ住宅内のお友達も、我が家の前を通るとおばさんが必ず外にいて、立ち話になってしまうのが嫌だから、別な道を通るようにしていると言っていました。
誰でもいいから会話をしたいんだと思います。
私は会話に付き合いたくないので、外出するときは二階の窓からおばさんが家の外に出ていないことを確認してから出ていきます。
車の鍵を探したり、忘れ物をしたりなどモタモタしていると音を聞きつけて家から出てきそうなので、素早く、まるで逃げるように車に乗り込みます。
正直、苦痛です。
最近は「ごめんなさい、急いでて」と苦笑いで言って逃げたり「あ、もうこんな時間だ」と時計をわざとらしく見て言ったりしてその場をしのぐようにしています。
しかし、いつも避けていると、自分の家が愚痴の対象になってしまいそうで怖いという恐怖心もあります。
お子さんは独立しているそうで、旦那さんは忙しく働いていると聞いていますが、本当のところは、おばさんの会話に付き合いたくなくて、誰も家に寄り付いてないのでは...といらぬ考えを巡らせてしまったり。
もしそうなら寂しい気持ちも分からなくはないですが、おしゃべりに付き合ってあげられるほど私はお人よしではありません。
ローンもまだまだ残っており、おばさんも悪い人ではないので引越しは考えていません。
しかし、なぜ、こんな思いをしなければいけないのだろうと、悲しくなります。
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