実家で2人暮らしをする高齢の両親をサポートしているカータンさん。緑内障を患い失明してしまった父と認知症が進行してきた母。しんどいこともあるけど笑えちゃう、介護のエピソードを、超人気ブログ「カータンBLOG」からご紹介。前回、母が迷子になったショックからか父の様子に異変が。どうやら幻覚を見ているようで...
前回の記事:霊との交信?それとも認知症...!? 全盲の父の「幻覚ワールド」が炸裂して...
父の幻覚がひどいということで
実家に泊まることになった。
父には隠さず正直に伝えた。
ネットには頭から幻覚を否定しない
そう書いてあったけど、
私はまだ父が一時的に混乱していると
思いたかったのだ。
まず気がかりは夜中のトイレだ。
父は視力を失ってからリハビリを重ね、
自分のベッドからトイレまでの道順は
しっかり把握していた。
しかし、リハビリの先生曰く
父はこんなことを言い出した。
すると、父は驚いて
やっぱりリハビリの先生が言ったように
父は幻覚の世界にいる。
父は辺りを見渡し・・・
リハビリの先生から
霊的なものではないと言われたけど・・・
つい霊的なものに結ぶつけては
怯えてしまう。
怖いよ!怖いよ!
父は怖くはないのだろうか?
思わず部屋に向かって叫んでしまった。
霊的なものじゃないって言われただろが!
父の幻覚を聞きながら、
私はスマホで調べていた。
レビー小体型認知症、せん妄、
シャルル・ボネ症候群・・・
せん妄か・・・
せん妄なら経験があった。
今は亡き義父が入院した時だ。
病院のベッドの上で
天井を見上げながら
長々そんなことを語っているから
どうかしてしまったのかと怖くなって、
急いで看護師さんに報告に行くと
義父は、現役時代
地質を調べる研究をしていて
国内外の地層を見て回っていた人。
若き日に見た情景を
思い出しているようだった。
父「パパが見えてるものは幻覚なのか?」
私「パパは2年前に視力を失ったでしょ」
父「こんなにクリアに見えるから、奇跡が起こって目が見えるようになったと思った」
私「違う。見えてる世界は幻覚だよ」
徐々にだが、父は今見えてる世界が
幻覚であることを理解し始めた。
でも、そうわかっていても
あまりにもクリアな幻覚の世界が
目の前に広がるため混乱する。
そして、気づかないうちに、
また幻覚がリアルな世界だと勘違いする
そんな繰り返しだった。
ただ父が今どんな世界にいるのか
私はとても興味があった。
普段から『口から生まれた男』
そんな異名を持つ父だ。
私に頼まれ、大張り切りで
事細かに状況を説明してくれる。
父が見ている世界。
ある時は・・・
日頃の妄想の成果か?
父の話を聞いていると、
私の頭にも幻覚の世界が見えてくる。
私「お弁当の中身は何なの?」
父「ちょっと待って。見てみる」
覗き込むような仕草をして
父「お赤飯だ」
またある時は
何かを受け取る仕草をしたので
父の幻覚ワールドは、
ちょっと怖くて、すごく不思議で
かなり興味深かった。
でも、私は後悔してた。
さすが『口から生まれた男』の異名を
持つだけの男だよ!
まぁ喋るわ、しゃべる・・・
結局、その日は朝の5時まで、
父の幻覚ワールドに付き合わされ・・・
眠くて朦朧として、
私まで幻覚を見そうになったわ!
次回は、
今後の方針をあれこれ考えた
2日目の夜 につづく
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ご心配をおかけしているので、先に話すと、私が泊まった2日目に父の幻覚率2割、一人でトイレ行く行為は80点。3日目の朝にはトイレに1人で行かれるようになった(100点)。4日目には「トイレに行きたくなくても、トレー二ングでトイレに行って練習してる」と。問題の幻覚は?「今日は1回見た!でも、あんなカラフルな幻覚ではなく、歌を歌ったら消えていった」と。まだ安心はできないが、少しだけホッとした感じだ。
【次のエピソード】「もう私は終わった!」弱気になった盲目の父だが、幻覚が消え...完全復活!?/カータン
最初から読む:母が吐血!深夜の救急病院から帰宅してみると異様な声が.../カータン
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