<この体験記を書いた人>
ペンネーム:モンステラ
性別:女
年齢:52
プロィール:昔からイベントには並々ならぬこだわりを持つ義母でした。
私の義母は90代前半。今は介護施設で生活しています。
そんな義母はお中元にお歳暮、クリスマスにお正月と妙にイベントには並々ならないこだわりを持っています。
それはバレンタインも同じこと。
毎年その時期になると電話で夫を呼び出しては「チョコ買ってきて」とお買い物を頼んできます。
もちろん、買い物くらいお安い御用......と言いたいところなのですが、実はとってもモヤモヤしています。
というのも、義母から頼まれたチョコって、渡す相手も我が夫。
つまり、夫は自分のチョコを自分で買いに行かされるのです。
わざわざ電話で呼び出され、さほど好きでもないチョコを、苦手なデパートに......。
それでも、自分以外の人のチョコがあればまだ納得のしようがあるのですが、夫が買うのは夫のチョコ1個だけ。
なので余計に理不尽に感じてしまうのです。
これには気のいい夫も辟易してしまい、「もう、チョコはいらないから」と何度も何度も断っています。
しかし...義母は強かった。
一旦は「わかった」と引き下がりつつ、さほど時間を空けずに「やっぱり気になるからチョコ買ってきて」と電話をしてくるのです。
夫が「分かった」というまでめげずに何度でも。
ならばと、コンビニに並んでいるそれらしいチョコを買って持って行くと、怪訝な表情になり、包み紙、チョコの種類、大きさまでチェックして、「これじゃない」と言うのです。
そしていつものチョコじゃないと言い始めたら最後、いつものチョコが目に前に現れるまで一歩も引き下がらないで「これじゃない」を言い続けるのです。
普段、義母にとても優しく接する夫ですが、これにはさすがにカチンと来たらしく「ありがた迷惑って言葉知ってるの?」と言ったそうです。
そこで義母が怒れば、きっとこの習慣を終わらせることができたと思うのですが、なんと義母は「ごめんね、面倒ばかりかけて」と涙を流すのです。
実はコレ、夫の弁慶の泣き所。
義母に泣かれると自分が辛くなるので、ついついいうことを聞いてしまうのです。そのことを知ってか知らずか、義母も......。
このあまりに気の毒な展開に私もついに参戦。
バレンタイン近くになったタイミングで義母の施設にちょこちょこ顔を出しては「お買い物ありますか~?」と聞いてみます。
しかし、「大丈夫よ、何もいるモノないから」とけんもほろろなお返事が。
ならばせめて、夫の好きなお酒ならと思い、それとなく義母に伝えてみても「いつものチョコを家族みんなで食べて欲しいの」とまたまた撃沈。
それならば、「同じものを買い置く?」と夫に提案してみたのですが、「あの様子だと、おふくろは日付すらチェックしかねない」と、そんな驚愕の理由で、このプランはお蔵入りとなりました。
どうやら、義母のバレンタインは、買いに行く人、場所、モノ、タイミングなどなど、何1つ変えることができないルーティーンとなっているみたい。
そうなると「これはオレがずっと付き合うほかないな」と、夫も苦笑いするしかありません。
義母はもともと頑固なところがあって、そのことを十分わかっている夫は諦めの境地に至ったのでしょう。
これって、夫にはホントに気の毒な展開なのですが「親孝行はできる内が花」だと言い聞かせるしない私たちなのでした。
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