<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やすやす
性別:女
年齢:45
プロフィール:結婚を機に関西に引っ越して7年。未だこちら独特の文化風習に慣れない専業主婦です。
私は38歳で3つ年上の人と結婚しました。
夫はバリバリの関西出身。言葉や独特のノリ・つっこみは、テレビに出てくる芸人さながらで、新婚当初は何て楽しい人なんだろうと思って過ごしていました。
夫の転職を機に、私は地元を離れ夫の両親が住む関西に引っ越してきました。
結婚前にも何度か夫の両親の元を訪れていたのですが、やはり血は争えず、夫の両親の会話はまるで夫婦漫才を聞いているような感じで、夫も含めこの楽しい家族となら、例え一緒に住むことになっても楽しくやっていけるのではないかと思っていたのでした。
ただ引っ越す前から、夫の行動でちょっと気になる部分がありました。
食事やショッピングなど、お金のやり取りをする場面で必ずお店の方に「なあ、これ、ちょっとまからへん?」と言い、値引き交渉を始めるのです。
絶対無理だよと思うような、スーパーやコンビニなどでもレジ打ちの人に対して、それをするのです。
最初は(さすが関西人やなあ......)とそのやり取りを微笑ましく見ていたのですが、これがいついかなる時もとなってくると「ちょっとうっとうしくない?」と思うように。
買い物のたびに「〇ちゃん(私)もまけて、ってかわいくお願いせな(笑)」と夫は言うのですが、私は苦笑いしか出来ません。
そもそも私の生まれ育った地域で「まけてえな」の文化はないのよ......と。
そして忘れられないのは引っ越しの時のことです。
夫が転職によって給料が大幅に下がり、夫の両親が私に気をつかってくれたのか「家電などの費用は全部出してくれる」と言ってくれたのです。そして私と夫、夫の両親の4人で家電量販店に出向きました。
冷蔵庫・洗濯機・テレビなど、「〇ちゃんが好きに選んでいいよ」とのことだったので、とりあえず値札を見つつ、なるべくお値打ちなものを夫と選びました。
いざ会計となったのですが、なんと夫の両親が夫より先に値引き交渉バトルを始めたのです。
「これ、全部購入するから〇円ぽっきりにしてくれへん?」口火を切ったのは、義母でした。「いつも、このお店で買ってやってるやないの。息子夫婦の新しい生活のために、頼むわ~」と、まるで親しい人にでも語りかけるかのように販売員に話し始めました。
その金額はなんと半額以下。
私は義両親から、少し距離を置きつつ、その交渉の様子をあっけにとられながら見守っていました。
すると義父が私の元へやってきて「関西ではこんなん普通やで。物を値段交渉して買うことは、当たり前や。どうせ、元々高く値段設定してるんやし」と耳打ち......。
(いやいや、ほんまですか~?)と心の中でつい関西弁でツッコミを入れてしまうほどでした。
その後も義母、そして夫2人がかりの値引き交渉は続きました。
「〇〇電器やったら、こんなん絶対に半額にしてくれるで~。まけてくれへんのやったら、お宅で買うのやめとこかいな」と義母。「まけてくれたらうちの母ちゃんが、近所まわしにここの電器屋のこと、宣伝してくれるで。まけといた方がええんとちゃうかな」と夫。最後に義父がとどめの一言。「こっちは忙しくて時間がないんや。はよ上司に連絡しいな」。
販売員のお兄さんは上司に連絡し、上司が私たちのところに来て値段交渉についてそれから30分ほど喧々諤々。最終的に、すべて新品ではなく、何年か前に出た型番の品物を、交渉通りほぼ半額で手に入れました......。どうせ買ってもらうなら、最新式の家電がいいなあと思っていた夢も破れました。
ここまで強引な値引き術......、正直私は引きまくりでした。私、この風習には何年住んでも絶対に慣れそうにありません。
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