「あなたが迷ったら、○○はもっと困るのよ」難航した母の遺品整理がウソのように進んだ友人の一言

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:まなやさん
性別:女
年齢:52
プロフィール:父が亡くなってから8年、母が亡くなってから6年が経ちました。

19.jpg

父が亡くなってから8年、母が亡くなってから6年が経ちました。

母は長年リウマチを患っていたので、両親の身の回りの世話をする為、一人っ子の私は結婚しても両親と同居していました。生活を共にしているとどれも思い出があって、なかなか手放せないものも多く、遺品整理は全く進まなかったんです。

母はひどいときは箸も持てない程の重度のリウマチでした。そのため、日常的に使用する身の回りのものは自分の側に積み上げ、動かなくても手を伸ばせば届くように置いていました。

生前の母のスペースは、片付けても片付けてもゴチャゴチャ。しかも母の趣味だったパッチワークの生地や裁縫道具がどっさり。布を広げれば切り刻んだ布から糸くずが落ちます。

変形し、痛みの残る手で、なぜわざわざ布を切り刻んでまた繋げるのか...お裁縫の嫌いな私には理解し難い趣味でした。

一方、母とは性格が正反対な私の趣味は模様替え。模様替えをするためには、母の荷物もあちこち移動させなければなりません。
飲み終わった薬の袋や通販のカタログなど、私としては「これいる?」というような物ばかりで溢れています。

片付けるついでに母に「これいる?」「これは?」と聞くと母はいつも「私のものは全部邪魔なんでしょ! いいわよもう、全て捨てたらいいじゃない!」と泣くのです。

普段はそんな事で声を荒げる母ではありません。ただ病気がそうさせたんだな......と今は冷静に受け止められます。

でも、あの頃は私もストレスがたまっていて、「このゴチャゴチャさえなければ気持ちよく暮らせるのに」と思っていました。

しかし、いざ母が亡くなると、私は母が使っていた裁縫道具を処分できません。

それどころか、あんなに理解出来なかったパッチワークですら素敵に見えてきます。

母が残した何箱もの切り刻んだ布。痛くてしかめ面しながら、ザクザクと切っていた様々な形の小さな布が、飲み終わった薬の袋(ジップロックになっている)に綺麗に分けて入っています。

私はどうしてもそれが捨てられず、そればかりか遂に大嫌いなお裁縫道具に手を伸ばし、母が作りかけていたラグを完成させてしまいました。

母が生きている間に一緒に楽しめたら、母も喜んでくれたはずなのにと後悔しながら...。

そんなことをしていたら、遺品整理など出来る訳もなく、ひたすら懺悔の日々で前に進めなかったのです。

ですが、自分でなんとかしなければ...との思いで、友達にすがる事にしました。

彼女は2人も子どもがいるのに、モデルルームのように美しく、整えられた部屋に住んでいます。

私は彼女が来る前に押入れから荷物を出し「要るもの」「要らないもの」と段ボールに書いて準備しました。

そんな中、我が家に到着した彼女は、その段ボールに書かれた字をじっと見つめました。するとおもむろに「要るもの」と書かれた字を消して「必要なもの」と書き直しました。

そして彼女は言ったんです。

「あなたがどうしようか処分に迷う物は、子どもはもっと困るのよ。そんな物残しちゃダメ」と。

目からウロコでした。その一言が私を動かしました。

自分がどうこうじゃなく、自分の子が残されたら困るかどうかを考えればいいのだと。すると、あら不思議! バンバン捨てられるようになったのです。

両親のことを思い出してみると、自分の親の親(つまり私の祖父母)からもらったものなど私の知る限りでは何点かしかありませんでした。

つまり両親も自分の親の遺品整理の際は、私に迷惑をかけないようにと処分してくれたのかもしれません。そんなことを考えながら、子どもに自分と同じ思いをさせないために、まだまだ今後も整理していこうと思います。

関連記事:亡くなった母の携帯電話に保存されていた台所に立つ父。映っていた料理は...

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

コメントする

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP