先日、ブロ友さんのお母様が「書」の個展をされると知って直感的に行ってみようと思いました。ギャラリーは京都市内の町家を改装した素敵な空間でした。引き戸をあけ、一歩中に入ると、古い日本がモダンに生まれ変わって、何とも素敵な空間が広がっていました。
そこで来場者さん達と娘さんを交え歓談されていたのが、個展の主宰しているお母様。ショートヘアーは流行りのグレイ。お洒落なメガネをかけ、絣織の棒タイはマフラー巻きにして猫のブローチで留めてありました。なかなかセンスのあるお洒落で小柄な女性。
お母様の年齢は84歳。その小さなからだのどこにそのパワーがあるのか、ドンと壁一面に風神雷神の一文字の「書」の作品が飾られていました。自身のからだの大きさと変わらない勢いある作品でした。ギャラリーの中に小さな蔵があり、そこには写真や抽象画も展示されています。
「書」「写真」「抽象画」40点の作品は、このギャラリーで個展をするために作られた作品です。この空間の中で、いかに自己表現をすべきかと、思考し、作業し、時には失敗をしても「それも又良し!」と展示されていました。
これまで、誰かについて本格的に習ったことはないそうです。すべて我流。
「写真」は、3人の娘さん達へ「今日も元気だ」という証に発信しはじめたブログに掲載するために撮り始めたそうです。カメラと機材をキャリーに入れて京都のあちこちにお出かけされるのだそう。
作品を通して、お母様の生き方には大変共感を覚えました。
「これまでの人生は誰かの為に費やして忙しすぎた。やっと時間ができ好きなことができるのに何もしていなかったら、天国で夫に会った時に具合が悪い。だから個展をしようと決めた」と、昭和の大半の女性がそうであったように仰っていました。
作品のなかに「遊び越せんとや」と書かれた書がありました。これは「あそびをせんとや」と読みます。"遊びをバカにしたらあかんよ"ということだそうです。
私は、好きなことを尖らせると社会貢献ができるし人生の充実をはかれたり仕事にもなると信じてブログなどで同世代の女性にむけ日々発信し続けています。けれど、自分の表現がうまくいかなかったり、思うように進まなかったり、これはもう可能性がないのではと不安になったりします。「やめてもええかな。」と思うことなど何度もあります。
しかし、ブロ友さんのお母様のようにそれまで普通の女性だった人でも、高齢になってから好きなことが認められ社会から認知された女性はいくらでもいます。
「叶えたい夢は今でなければならない理由はあるのか?」と自分に問いかけてみます。
天に召される前まででいいなら、今は実験中だと思えばいいのではないか。
ハワイの浜辺でみたウミガメの歩みはとてもノロマですが確実に1歩ずつ進み目的を果たしています。直ぐにでも夢が叶えばそれにこしたことはないですが、年を重ね人生の後半にピークを迎え充実した人生で終わることができたなら、それはとても幸せではないかと思います。
いつからでも始めることはできるし、諦めなければ夢はいつか叶うと信じています。
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