<この体験記を書いた人>
ペンネーム:梅の実
性別:女
年齢:49
プロフィール:自分が10代20代の頃の記憶は結構しっかり残っているのに、先週の出来事があまり思い出せなくなってきました。
先月、いつものようにネットでニュース記事をぼーっと読んでいた時、音楽をダウンロードで購入している若い世代を中心に、カセットテープが流行っているという記事が目に留まりました。
そうか、最近の若い人達はCDすら買わないから、何かの媒体に入っている音楽って新鮮に思うんだ...なんか不思議な感じ!
そこでふと思い出したのは、中学の同級生だったFくんのことです。
Fくんとは中学1年と2年で同じクラスで、入学してすぐにたまたま席が隣だったことから話をするようになりました。
会話の中で80年代に流行していた洋楽がお互い好きなことが分かってからは、お勧めのアルバムをレコードからカセットにダビングして交換するように。
その頃はテレビもラジオも歌番組がたくさんありました。
テレビはなかなか見せてもらえなかったけれど、ラジオは自由に聞くことができていたので、FMラジオの洋楽ベスト50とかの番組をカセットテープにダビングしたり...。
いわゆるエアチェックですね。
気になったミュージシャンがいても、今のようにすぐネットで調べられるわけではありません。
音楽雑誌に載っていないミュージシャンは、レンタルレコード屋に行き店員さんに聞いたりしながら情報を集めて、とりあえずレコードがあれば借りて聞いて、気に入ったらカセットテープにダビングする、の繰り返しでした。
中学2年になっても同じクラスだったので、カセットテープ交換は続いていました。
周りから「2人は付き合ってるんだ!」とか冷やかされたこともありました。
ですが中学3年になると違うクラスになり、カセットテープ交換もいつの間にかやらなくなってしまいました。
中学の卒業式で少し話をしたことは覚えていますが、その後はずっと疎遠でした。
ところが、5年前に中学の同窓会が開催された時にFくんとも再会。
久しぶりすぎてとりあえず仕事何しているの? としか聞けなかったんですが、なんとFくん、今はDJとして活動しているとのこと。
周りにいた人たちは「わーかっこいいねえ!」とワイワイ。
私はそこでカセットテープ交換していたことを思い出したのですが、その時、Fくんが突然真顔になりました。
「中学の頃、カセットテープ交換をしていたからこそ今の自分があるんだ。ありがとう!」
そうみんなの前で感謝されてしまいました。
突然の感謝の言葉に周りはどよめき、そういえば2人はすごく仲が良かったよねえ? と冷やかされたり。
そんな訳で、すごく照れ臭かったのですがなんだか嬉しかったです。
あの時、カセットテープ交換をしていたのはFくんとだけでした。
私はFくんのことが好きだったのかしら...?
なんてことを思いましたが、まあその頃、彼への気持ちがどうだったのか思い出せなくても、いい思い出です。
関連の体験記:娘の学費のため...50代・シングルマザーの私がホームセンターで始めた「ハードな副業」奮闘記
関連の体験記:2台あった車を1台にしたら...結婚10年、40歳夫の「知られざる一面」が!
関連の体験記:結婚に反対した長女が泣いている...。次女の彼氏との顔合わせで見えた「父子家庭で育った姉妹の絆」
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。