<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くあら
性別:女
年齢:53
プロフィール:ゆとりのある老後を過ごすために今頑張って生きよう。
ここ数年風邪らしい風邪をひいたことがなく、歯科以外病院とは無縁で過ごしてきました。
そんな中コロナによる自粛が始まり、進学するはずの長男が学校再開の見通し立たずで、自宅待機を余儀なくされました。
おまけに遠方で1人暮らしをしていた長女が、コロナの影響で仕事が激減し、一時的に家に戻ってきました。
夫婦と長男との3人暮らしが、この春からはようやく夫婦2人暮らしになると思っていたのに、まさかの4人暮らしになったのです。
それでもこの緊急事態なので、特に皆不平を言うわけでもなく、自粛生活が始まりました。
そんな生活が2カ月経とうかといったときのことです。
昼下がり、突然今までに感じたことのない頭痛に見舞われました。
でも、冷や汗を流しながら横になっていると、20〜30分で治りました。
その後は普通に買い物にも行けましたし、夕食の支度もできたので忘れかけていた頃に、二度目の頭痛が始まりました。
それも同じようにしばらく我慢していると治まったので、食事を済ませ、寝床についた頃、三度目の痛みが。
そして翌朝起床後すぐに四度目の痛みに襲われ、さすがにこれはただ事ではないかも...と思い、夫が休日だったこともあり近所の内科を受診しました。
問診の末、しばらくしたら治るのであれば、様子を見ましょうとのこと。
その日は何もなく過ごせたので、安心していたのですが、翌朝、今までで一番くらいの痛みがきました。
汗を流しながら床で痛い痛いと転がり回る私に驚いた夫が、ネットで近くの脳神経外科を探し、車で連れて行ってくれました。
そこで内科を受診したとき以上に詳しい問診があり、すぐに「CTをとりましょう」となりました。
人生初のCTに、「えっ! 私ってそんなに大変な病気なの?」と不安になりましたが、ほんの数分で痛くもかゆくもなく撮影は終了。
結果の写真をくまなく観察する医師を、夫婦で固唾をのんで見守っていました。
「奥様のような症状を訴えられたとき、私たち神経外科医が一番心配するのがくも膜下出血です。これだけはどんなにわずかな異状も見落としてはならないのです」
そう言いながら結果写真を動かす医師。
しばらく写真を見つめた医師は、こちらに向き直り、説明してくれました。
「今回なんの異状も見受けられませんでした。これ以上の安心が必要ならMRをおすすめしますが、今のところ特にその必要性はないと思います」
ああよかった、と胸をなでおろしたのですが、疑問は残ります。
「じゃあ、なぜこんな痛みが出るのですか?」
「CT画像で異状がないからには脳の問題以外で何かあるのではないか、としか言えません」
「更年期障害やストレスですか?」
「更年期障害は専門でないのでそちらを受診してもらわないとわかりません。ストレスから起こる頭痛はあります」
薬の処方もなく脳神経外科を後にしました。
その後、数日内に軽い頭痛は二度ほどありましたが、それ以降は頭痛もなく、普通に暮らしています。
「知らず知らずのうちに、コロナのストレスが重なって爆発したのではないか」
これが夫婦で出した結論でした。
我慢していると思ってなくても、たまっていくのがストレスなのだなと改めて感じました。
まだまだ油断できないコロナではありますが、事実上の罹患だけでなく、心のケアも大切にしないと、と思った出来事だったのです。
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