「苦しい、早く楽になりたい」受験に失敗した息子が「受験鬱」から脱出できた「意外なきっかけ」/chii

卒業式のシーズンを迎えています。

この季節になると思い出すのは、子どもたちの高校の卒業式です。

【前回】「貯金が底をつきそうだ」夫から数年ぶりの電話。モラハラDVで散々苦しめた私に助けを?

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娘は卒業式の前日に、父親の目を盗んで夜逃げのような引っ越しをしました。

息子は大学受験を失敗して、受験鬱を発症。

季節は春だったのに、辛い思い出しかないです。

私がモラハラDV夫と結婚したばかりに、子どもたちには苦労させてしまったと思います。

今日は、苦しかった息子の浪人時代の事を書いていこうと思います。

高校を卒業後、死んだように眠ってばかりいた息子は、心療内科を受診し、受験鬱と診断されました。

昼夜逆転してしまったので、私と顔を合わせることはあまりなかったけれど、青白い顔をしていてとにかく心配でした。

宅浪宣言をしておきながら、勉強する気配はまったくなし。

浪人を決めた同級生の何人かは、予備校へ通い始めていました。

早朝の品出しバイトは起きられずにすぐにやめてしまったし、このままひきこもりになってしまうのでは? と最悪のことを考えてばかりいました。

貧乏でも塾へ行かせるべきだったと、後悔の気持ちでいっぱいになりました。

息子が受験鬱から脱出できたのは、本当に些細なことでした。

ゲームが大好きだった彼は、一年間ゲームから離れていたのです。

大学受験に向けて、勉強に集中するため、ゲームは禁止と自分でルールを決めていました。

寝てばかりいたある日、ゲームを始めた彼の部屋から笑い声が聞こえてきました。

目にも輝きがもどり始めて、「生きていれば、こんな楽しいことがあるんだ」と思ったそうです。

それまでは、生きていても仕方ない、何のために生きているのか等々、思い詰めていたのです。

ゲームをきっかけに自分を取り戻した息子でした。

夏ごろに家電量販店でバイトを始めて、生活のリズムも整ってきて、再び受験勉強をスタートさせました。

大学受験費用、大学の入学金は自分で貯めるからと言いだし、親としてはとても申し訳ない気持ちになりました。

その頃は、確か生活費もくれていたと思います。

そしてまた、塾へ行きたいと言い出しました。

自宅で勉強は、孤独との闘いになるし、自分の力では限界だとさとったようです。

「貧乏だから、塾へ行く余裕はないからね、浪人は絶対だめ!」と彼を追い詰めてしまった過去の自分を思い出しました。

その時は、借金してでも塾へ行かせようと決めました。

さすがに学費の高い予備校へ行くことは無理だったので、個別指導塾へ親子で面談に行きました。

不得意な科目だけ、個別指導を受けることにしたのですが、学費は3万円ほど、その他模試代、参考書代などで月2万円くらいかかりました。

私のパート代だけでは足りなかったので、ついに銀行のカードローンに手を出してしまいました。

どんどん膨らんでいく借金に不安にもなりましたが、とにかく今度は合格してほしかったのです。

個別指導塾では、自習室もあり、そこで勉強してくるようになったことで、孤独感からは解放されたようです。

秋ごろまでは順調で、模試の結果判定も良い数字が出ていました。

個別指導塾の講師は、「よくここまで一人で頑張ってきたね、このままいけば、絶対合格できるから」と温かい言葉をかけてくださいました。

モラハラDVの父親からは、否定され続けてきた息子にとっては、自分を肯定してくれる言葉はどんなに励みになったことか。

借金をしてでも、塾へ行かせて良かったと思ったものです。

その後、本番の試験までは、またまたメンタルの弱さが出て来てしまい、不安定になったこともありました。

「苦しい、早く楽になりたい」とよくつぶやいていました。

そんな息子でしたが、4年間の大学生活では、サークルに旅行に研究にと学生生活を謳歌し、今月末に卒業します。

夢を叶えるために、大学院進学を決めました。

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

chii

モラハラDV夫の家を飛び出し、7年目のchiiと申します。離婚には応じてもらえずに、現在も熟年別居中です。つい最近、共に暮らしていた大学生の息子が自立をして一人暮らしになりました。某スーパーでサービスカウンターの仕事をしています。パートなので生活は楽ではありませんが、結婚生活が地獄だったからこそ、現在の一人の時間に幸せを感じています。別居直後から書き出した「60代小さく暮らす」お一人様の老後がテーマの「お茶のいっぷく」を書いています。

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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