<この体験記を書いた人>
ペンネーム:さくらみちこ
性別:女
年齢:53
プロフィール:ようやく過ごしやすい季節になりましたので、趣味のお散歩を再開しています。
コロナ禍でいろいろなことが変わりましたが、我が家ではうれしい変化もありました。
春頃のこと、上の孫(9歳)が突然、家族の前でこう言いだしたのです。
「トイレはフタをしてから流しましょう。じゃないとウイルスが部屋中に飛び散ります」
どうやらこれは、コロナ対策の一環として、小学校で指導された内容みたい。
この子は、それを家にも取り入れようとしたのです。
「偉いね。先生の教えを家でも守ろうとするなんて。じゃあ、今日から我が家のトイレルールに決めよう!」
そう声をかけると、何とも嬉しそうな、誇らしそうな表情を浮かべました。
そして孫は、次のステップ? なのでしょう。
トイレパトロールまで始めたのです。
その内容は、トイレ後の家族を捕まえ、「フタを閉めてから流した?」とチェックするというもの。
その答えが「閉めました!」ならもちろんOKなのですが、「えっと...どうだっけ」とか「忘れました!」なんて言おうものなら、再びトイレの流し方指導が入ります。
しかも、少々厳し目の。
「そこまでやるなんて凄いな~」
感心しながらも、事の経緯を見守る私。
そうこうしていると、上の孫と下の孫(7歳)との間で小競り合いが始まりました。
姉弟の小競り合いなんて全然珍しくないので一旦は放置...と思っていたら、上の孫の泣きじゃくる声が聞こえてくるではありませんか。
これはさすがに見過ごせません。
すぐに孫の元に向かい、事情を聴いてみました。
「ばあばがコロナで死んだらイヤなの。だから、トイレを流す時フタしてって頼んでるの。でも、何度頼んでも弟は聞いてくれなくて、フタを開けたまま流しちゃったの」
上の孫はそう言って号泣するのです。
これには、嬉しいような、でもやっぱり申し訳ないような、複雑な心境になりました。
というのも、孫がそこまでこだわる理由は私の体調にあるからなのです。
実は私、免疫系の基礎疾患があって、医師から感染症には要注意との指導を受けています。
もちろんそれはコロナも同じこと。
ですので、コロナ禍となって以来、我が家では色んな方法やアイテムを取り入れてコロナ対策をしています。
きっと、それを肌で感じた上の孫が、自分に出来る事を一生懸命に考え「トイレ指導&チェック」を頑張ってくれていたのです。
しかし、下の孫にはまだそのことが理解できない上に、お姉ちゃんへの対抗心でついつい逆らってしまったというのが事のなりゆきでした。
下の孫に「この次からはお願いね。トイレは閉めてから、ね」と伝えたところ、小さくうなずいてくれました。
それでも泣き止まない上の孫をギュっと抱きしめながら、「ばあばは大丈夫」と声をかけ、「この約束はなんとしても守らなきゃ」と心に誓いました。
少し切ない、でも、感動的な出来事でした。
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