<この体験記を書いた人>
ペンネーム:冬華
性別:女
年齢:52
プロフィール:在宅ワークに励みつつ、更年期と思しき症状との付き合い方を模索中の主婦です。
性格的にも、年齢的にも「新しいものにすぐ飛びつけない」私は、未だにガラケーを使っています。
逆に新しいもの好きで、気持ちの若い母(81歳)は周りに影響されスマホを持ち始めました。
でも御多分に漏れず母は機械に疎いのですぐ使いこなせるはずもなく、結局メールすらまともにできず、電話をするだけです。
新しいスマホにはなにやら訳の分からない迷惑メールや携帯会社からのお知らせがたくさん送信されてきます。
母はそれを消すことすらできず、わざわざ「メールを消させるため」に私の家まで車で40分かけてやってきます。
でも、頼む相手は未だにガラケーを使っている私です。
あてずっぽうでメールのマークを押し、それをゴミ箱へ移すために、それらしいボタンを押しまくり...。
そして、うまくいかずに最初の画面に戻るという無限ループに陥ります。
それでもなんとかメールを消すことができた時には、あっという間に30分が過ぎていました。
ある日、なんの操作ミスかデータが全部消えてしまったという母が携帯ショップへ一緒に行ってくれというので、付いていくことになりました。
ショップはかなりの混雑で、1時間待ってようやく順番が来ました。
しかし、お店の人は新しいプランの話や、電気代をまとめて払うと安くなりますなど、サービスの話ばかりをして聞きたいことに答えてくれません。
関係がある話なのかと思って我慢して聞いていたのですが、どうやら説明する気もなかったよう。
こういう携帯ショップにとって「使い方に疎い中高年の女性」は、いいカモとしか見られていないの...⁉
そんな思いと共にあっという間に2時間を消費し、どっと疲れが押し寄せるのです。
主婦である私には食事の支度や掃除、洗濯etc....と、やることがたくさんあります。
できる限り有効に時間を使いたいのですが、母のスマホを巡ってこのようなことが頻繁に起こるため、こうして消費される時間が無駄でしかありません。
さらに、在宅で仕事をしている私にとって時間を奪われることはお金を奪われるのと同じ。
我ながらセコイな...と思いつつ「この時間に仕事すればいくらになったんだろう」と、嫌らしい試算も頭の中を駆け巡ります。
また、母は県外に住んでいる姉とよく電話をしていて、姉は母にお金のかからないLINEを覚えさせようとしていますが、ガラケーの私はLINEをしたことがありません。
母がLINEを始めたらまたこれが分からない、ここはどうするの? と私に聞いてこられるんじゃないかと思うとゾっとするので、なんとか回避しようと企んでいます。
「お母さんはもう歳だから覚えられないよ。あんたたちは若いからいくらでも覚えられるでしょ」
これがいつもの母の言い分なのですが、私ももう52歳。
81歳の母からすれば若いでしょうが、物覚えも悪くなり、新しいことを覚えるのに必要な気力も体力も落ちてきています。
とはいえ、そんなことを訴えれば口論になるか、険悪な雰囲気になるに決まっています。
なので、いつもぐっとこらえて......ストレスは溜まるばかり。
暮らしが快適になるはずのテクノロジーが、逆に庶民の快適な生活の足枷になり、人間関係を悪化させかねないというジレンマを肌で感じることになりました。
これからはさらに進化したスマホがこうした矛盾を解決し、親子の関係を良くしてくれたり、振り込め詐欺の犯人を改心させたり...。
そんな「人の心も楽にしてくれる未来」が来てほしい願う、この冬なのでした。
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