80代一人暮らしの母。高齢者を狙った詐欺の標的になり、普通の暮らしもままならない

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:悩む娘
性別:女
年齢:53
プロフィール:親と離れて暮らすひとりっ子です。親の相談は何でも私に来ます。

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80代で一人暮らしを続ける母の住居に、高齢者を狙った詐欺の郵便や訪問が多くきて困っています。80代の父が認知症を発症し、グループホームに入って早5年が経ち、その間、母は一人で家を守ってきました。母は地方都市に、私は首都圏で暮らしているのですが、母に都会で同居をしようと話をしても、今の場所には昔からの友達、親戚がいて住みやすいので引っ越したくない、と言います。確かに知り合いも友達も親戚もいない場所で暮らし出して、家に引きこもってしまったらもっと大変だと思う気持ちあります。ただ最近、地方に住む母の周りでも詐欺が多くあり、普通の暮らしもままならない状況なのです。

ある日、私宛の「裁判所に出頭しないと多額の請求をする」という内容のはがきが、母の元に届きました。何も知らない母は驚愕して私に電話をしてきましたが、私が「詐欺だから問題ない」というとなんとか納得してくれました。ですが、今度は「裁判所への出頭期限は明日までです!」と書かれた同様のはがきが届いたのです。「どうしたらいいか」と母から半泣きの状態で電話がかかってきました。そして私がいくら詐欺だと言っても「期日が明日までと書いてある」と聞いてくれません。警察と郵便局に連絡して、やっと詐欺だと納得してくれました。母は、今後そのようなはがきが届いても無視するように警察から言われたのですが、その後もはがきが届くたびに警察に連絡してそのつど「無視してください」と言われているようです。

そしてまたある日、大工の格好をした若者が「向こうの家で屋根工事をしている者です。向こうの屋根からお宅の屋根が壊れているのを見つけたので、この釘で直したほうがいいですよ。もしよかったらうちの会社が直します」とご丁寧に数本の釘と名刺を置いていったというのです。ただうちの屋根は半年前に修理したばかり。壊れているとは思えません。そこで作業を手掛けた業者に屋根に上ってみてもらったのですが、結局どこも壊れていませんでした。わざわざ釘まで置いて行く手口に、すっかり騙されるところでした。

「詐欺グループがうちの住所を知っていて気味が悪い」と、家にかかってくる電話や郵便、訪問者に神経をとがらせて暮らしている母を見ると、本当にこれが幸せなのか考えてしまいます。住み慣れた家に暮らして、ご近所の友人や親戚と笑いあって暮らしたいだけなのに、普通に暮らせない時代になってしまったのかと思うと、今後どうしたらよいのか......。今は心配しかできません。

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