<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる51歳自営業。
うちの父はマイペースと言うか、自分勝手と言うか、何かにつけ「何だよ、もぉ!」と叫びたくなるような人です。
「仙人みたいだから床屋に行って」とお願いしても、自分で行くと決めた日が来ないと絶対に行きません。
「みっともない」と言いにくいことをハッキリ言ってもダメ。
万事その調子で、母とは色々と愚痴を共有してきました。
ところが、その母も実はマイペースな人。
母は78歳です。
2020年に外出が自粛になった頃から車の運転が面倒臭くなってきたのか、一緒に出掛ける機会が増えました。
それはいいのですが、出掛けた先での母の行動に問題? があります。
ふらっといなくなったり、言っていた場所とは違う場所に行ってしまうのです。
スーパーで「ここにいるから○○取って来て」と言われ、戻ってくるといないのは日常茶飯事。
田舎なのでよく行くスーパーは広くて、ワンフロアで食料品から日常品・衣料品まで買えます。
便利ですが、このお店で母はいなくなるのです。
食料品売り場を回っている時「ここにいるからキャベツ取って来て」と言われトコトコ行ってくると、いない。
見回しても視界に入る所にはいません。
キャベツを片手に彷徨っていると、隣の売り場でようやく出会えました。
2、3度続いた時に心配だからやめてとお願いすると、「ちょっと閃いて」と笑うだけ。
閃くなぁ! 笑うなぁ!
「私が来てから隣の売り場に行けばいいのに」
「忘れちゃうかもしれないでしょ?」
なんて言いながらケタケタ笑っています。
「三歩歩かなければ忘れないよ!」
思わず悪態をついてします。
つい先日は、役所に行って用を済ませると、母が消えていました。
何の面白みもない役所の中で、どこに行ったんだよ? と思いながら、フロアをうろうろ。
静かな役所の中なら電話に気付いてくれるかもと、スマホをバッグから出した途端、母の背中が見えました。
そこは、私がいた場所からは絶対に見えない、フロアの一番奥の角を曲がったどん詰まりでした。
自販機が置いてあるブースの入口だったので、「飲み物買うの?」と聞いてみると、とんちんかんな答えが返ってきました。
「友達がね、証明写真が撮れる機械があるって言ってたから探してみたの。あったからもういいよ」
証明写真なんて撮る必要もないのに...。
「離れるなら言って」
「何も、怒るほどのことじゃないでしょ?」
やはり一言言っておかなきゃと怒ると、一瞬、心外だと言いたげな顔をしたものの、すぐにケロッとした顔で言い返してきます。
私の顔を見てけらけら笑っていたので、やっぱりダメだ、何も反省していないし私が怒った理由も分かってない。
もう高齢なので、行方が分からなくなった時、どれだけ心配するかどうやったら分かってもらえるのでしょう。
無邪気に笑って私の話を聞く気もない母を見るたびに、どうすれば自分の言葉が響くのかとモヤモヤしています。
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