<この体験記を書いた人>
ペンネーム:風呂敷
性別:女
年齢:40
プロフィール:糖質制限ダイエット、挫折しました。炭水化物、やっぱり食べたいです!
両親は車で20分ほどの距離に住んでいて、月に3回以上は行き来しています。
68歳の母は食べることに興味がある人で、着飾ることには全く無関心でした。
洋服もファストファッションでOK、化粧品もスーパーで安いものを買うというスタンス。
化粧の仕方も、ファンデを塗り、アイシャドウと口紅だけでした。
必要最低限の化粧しかしない母に育てられた私は、ファッション雑誌を読んで、世の中にはマスカラやアイラインという物が存在することに驚いた記憶があります。
ところが......
そんな母が、美容に目覚めてしまったのです。
きっかけは、デパート。
私と「シミが隠せる」と評判のファンデーションを見に行ったとき、フルメイクをしてもらったことで、母のスイッチは押されました。
フルメイクをした自分の「若返り」方に驚いたのでしょう。
鏡を見て、とても嬉しそうな表情の母を見て、私も良かったな...と思ったのです。
...そう、その時は。
しかし、それから母は美容に大変お金をかけるようになってしまったのです。
母は化粧品だけでなく、化粧水やクリームといったケア用品まで、デパートで全て揃えるようになりました。
口紅やアイシャドウなどは種類がどんどん増えていき、全く使い切れていません。
デパートで「お似合いですよ」と褒められたり、可愛いパッケージが気に入ったりするとついつい買ってしまうようです。
さらにさらに、なんと最近はエステにも行き始めています。
「午前中にエステしてきたけど、どう? 綺麗でしょ?」
嬉しそうに言う母。
でも、正直違いは良く分かりません。
化粧品なども含めると、最低でも月2万円は出費していそうです。
そしてそれだけでは飽き足らず、広告の冊子を見たのがきっかけで、最近では「美容外科のシワやシミ取り」も気になっている様子。
どれだけお金を使う気なんだろう...と思ってしまいます。
確かに化粧をすることで、母は以前より明るくなりました。
お友達と出かけたり、一人で買い物に行ったりするのも楽しそうです。
しかし、現在の父母は年金と貯金を切り崩す生活なので、家計が心配です。
化粧品が無駄とはいいませんが、必要以上に購入しています。
「美容依存症」にでもなってしまったのでは...? そんな不安が拭えません。
そして、私は母に何も言えなくなってしまいました。
...というのも、「買いすぎじゃない?」と母にさりげなく言ってみたことがあるのですが...
見たこともない顔で怒られたのです。
「私の勝手でしょ! 残り少ないんだから好きにやりたいのよ」
それ以来何も言えます。
父は家計を気にしない人なので「なんとかなるんじゃないか」程度にしか思っていないと思います。
お金の話は実の両親でもしにくいところがあるので、困ってしまっています。
実家に飾ってある家族写真やアルバムを見ると、懐かしい母の顔があります。
出費はもちろんですが、ほぼノーメイクで飾りっ気のない母の顔が好きだったなぁと、つい以前のことを思い出してしまいます。
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