<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまと
性別:女
年齢:40
プロフィール:50歳の夫と二人暮らしの主婦です。
最近は、ZoomやLINEで海外にいる友だちとも気軽に話せるようになりましたが、その度に、国際電話で海外の友だちと話していた中学生時代を思い出します。
25年前の中学生時代、仲の良かった友人Sが親の転勤でアメリカに引っ越してしまいました。
おしゃべりが楽しいお年頃、Sとは学校で話すだけでは飽き足らず、電話で話をしていました。
まだ携帯もない時代、家の固定電話の子機を部屋に持ち込み、長電話するのが日課だったのです。
Sがアメリカに行った後も、どうしても話をしたかった私は毎週末に国際電話をかけ、日々のことを話しました。
国際電話が高いというのは分かっていましたが、話し始めるとあれもこれも話したくなってどうしても長くなってしまいます。
一週間の出来事を話したり、アメリカでの生活や流行っていることを聞いたりしているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
しかも、時差の関係で親が寝静まってからかけていたので、止める人もいませんでした。
そして1カ月後、電話代の請求を見た親は激怒。
我が家の電話代は、なんと5万円以上になってしまったのです。
「国際電話は二度とかけるな!」
「ごめんなさい、長電話した電話代の分はお小遣いから引いていいし、今度から決められた時間は守るから、少しで良いから電話で話させて!」
怒る両親に泣きながら拝み倒して、何とか、親の監視下で週1回数分という条件の下、Sと電話をすることを許してもらえました。
しかし、当然それだけでは話し足りません。
私たちは、手紙でもやり取りするようになりました。
慣れないエアメールに最初は戸惑いましたが、慣れると電話とはまた違う楽しみがありました。
特に当時はプリクラが流行り始めた頃だったので、彼女に送るプリクラを撮りに行くのがとても楽しみでした。
手紙だと電話とは違い、たくさんの人からのメッセージを送ることができるのも楽しかったです。
クラスメイトに一言ずつ書いてもらったり、クラスメイトからの質問コーナーを作ったりして、授業中にこっそりと手紙を回したのも楽しい思い出です。
Sはそのお返しに、アメリカで撮った写真や日本では売っていないかわいいシールを送ってくれました。
インターネットがまだ普及していなかった時代。
Sからの手紙には海外の最新情報がつまっているようで毎回ワクワクしていました。
今はインターネットで海外の人と簡単につながることができ、海外のものも通販で簡単に買えます。
ZoomやLINEを使えば、お金をかけることなくいくらでも長話ができます。
ずいぶん便利になったなとしみじみと思うと同時に、国際長電話をして怒られたあの頃のことを懐かしく思い出します。
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