<この体験記を書いた人>
ペンネーム:くもりのち晴れ
性別:女
年齢:63
プロフィール:平日は中小企業のおばあちゃん事務員。老夫婦で暮らしています。
75歳の夫は典型的な昔人間で、共働きであろうとも、「家事や子育ては女性の仕事」とがんとして譲りませんでした。
一方で子供大好き人間なので、若い時はスポーツ少年団の世話役や学校役員などには好んで参加してくれていました。
ですが、自営の仕事も半ばに行事に夢中になるくせに、それに伴う雑事は「君じゃないとできないから、やっておいてね」と体よく押し付けられていました。
平日フルタイムで働いていた私は寝る時間も惜しんで動き回り、休日は雑事や遠征に駆り出されて休む間もなくあっという間に35年。
気が付いたら末っ子も独立して行きました。
やっと老夫婦だけになり心豊かな老後を送れると思いきや、考えが甘かったようで相変わらず我儘な夫に翻弄されています。
今の私にとって、花壇や狭い家庭菜園の植物たちと戯れる時間は至福のひと時です。
先日も購入してきたビンカと、こぼれ種から開花したビンカの配置を楽しんでいると、お決まりの窓開けからの「おーい! 午後からの野球の試合の開始時間を見てくれ」。
今でなくても良いのでは? そんなこと自分で確認すれば? と思いつつも応じる羽目になるのです。
また、遠方で暮らす孫や子供たちと、主人には関係ない内容のLINEで会話を楽しんでいる時にも、夫のオーイ攻撃は容赦なく襲ってきます。
しかし勝手なもので、夫が何かに没頭しているときに声を掛けようものなら「うるさい!」と睨みつけられます。
まして、配布物などのお願いをしようものなら足が痛い、テレビを見ているなどと理由をつけて断ってきます。
休日はリクライニングソファーで、終日ダラダラしている夫の口癖は「お前がいないと何にも出来ない」。
そんなわけないでしょ! 面倒なだけなのでしょ! と叫びたくなります。
しかし、反撃して揉めるよりは笑顔で過ごした方が楽なので黙っています。
また、こんなこともあります。
私は所定外の場所に物があったり、床にごみが落ちていたりするとイライラする性分。
そんな私が休日の午後、二階で独りの時間を楽しんでいる時に、部屋が少しでも散らかっていようなら、夫は階下からオーイ攻撃を仕掛けてきます。
「あんた、散らかっているのは嫌いでしょうが? わざわざ教えてあげたのだからありがたく思いなさい」
そう厭味ったらしくのたまうのです。
教えてくれなくていいから自分で片づけて! と叫びたくなります。
さらにさらに。
コロナ騒動以前、長期休暇で遠方から帰省してきた息子家族と、食事をしている時、いつものように食後すぐにテーブルを離れる夫。
それを見て普段から家事を分担している息子夫婦が「爺ちゃんも、自分の食器ぐらい流しに持っていった方がいいよ」と援護射撃をしてくれました。
夫は返事もせず孫のところに行って遊びながら「パパ達や婆ちゃんはうるさいから嫌いやな、片付けなんかしていたら遊ぶ時間が無くなるものなあ」と都合の良いことを言っていました。
何もしないことを正当化する夫に、むかむかする私は器が小さいのでしょうか。
またテレビに夢中になり彼の入浴が遅くなると、私の入浴は日をまたぐ時もあります。
先に入ればと思われるかもしれませんが、彼が後から入ると浴槽のお湯は抜かず、入浴用品は放置し床や壁は汚れたままなので、結局掃除に行く羽目になるので二度手間なのです。
濡れたままだとカビが生えるし、鏡やガラスが白くなってしまうので、面倒でもちょっと洗剤と熱湯をかけて、拭きあげてくれれば済むのにと思ってしまいます。
特にコロナ禍の今は清潔に保つ事は不可欠だと思うのですが、やりすぎでしょうか?
夫婦で役割を決めて、お互いを思いやり3人の孫を育てている息子夫婦を見ていると、「私ももう少し後に生まれていたら、協力的な夫を見つけることが出来たのかしら」なんて考えてしまうこの頃です。
関連の体験記:「手伝いますよ」のひと言が命取り...44歳、義実家の町内会で「若手」と重宝される私の葛藤
関連の体験記:夫が倒れて働きづめの私。進学を諦め、助けてくれた長女。並んで座った電車での何気ない会話に涙が...
関連の体験記:41歳専業主婦の私。年3回の美容院すら「また行くの?」と言う、お金にシビア過ぎる夫が辛いです...
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。