居間でごろ寝し、朝まで寝てしまう夫。心配する私vs鬱陶しがる夫の、28年間に渡る戦いの「意外な結末」

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:konohana
性別:女
年齢:53
プロフィール:専業主婦です。55歳の会社員の夫と20歳の大学生の息子と3人暮らしです。

居間でごろ寝し、朝まで寝てしまう夫。心配する私vs鬱陶しがる夫の、28年間に渡る戦いの「意外な結末」 50.jpg

夫(55歳)と結婚して28年。

夫のある癖と長年戦ってきました。

それは「寝室で寝ないで居間で寝る」癖。

夫は、晩酌をしながらテレビを見ているうちに、うとうとしてきたと思うと、居間のカーペットにごろんと横になってしまうのです。

結婚したての頃、すぐに夫の癖に気づきました。

毎晩眠くなる極限までテレビなどを見ながら自然に眠りにつき、そのまま居間で寝てしまう、そういう生活が身についていました。

夜中に様子を見に行くと、座ったまま寝ていたり、ごろ寝をしていたり。

新婚の私は、夫の体がとても心配で、肩を揺さぶり起こそうとします。

「風邪ひいちゃうから、お布団に行って!」

必死で起こしました。

すると、夫は寝ぼけているのに「なんだよ!」「うるさい! 今寝てるんだから!」とひどい剣幕で私の手を振りほどくのです。

何度か繰り返し、私も「もう、知らない!」と寝室へ戻る。

こんなことの繰り返しでした。

毎朝、夫が隣の布団にいないのを確認するたびに、がっかりしましたし、やはり心配でした。

変な姿勢で寝ているから、腰が痛くなるのではないか、何もかけずに寝込んで風邪をひくのではないか。

しかし、私の心配をよそに、夫はごろ寝を続けました。

それから年月がたち、子供が生まれました。

私は子供に添い寝をするため、更に早い時間に寝るようになりました。

当時は一軒家に引っ越したてで、寝室は2階、居間は1階です。

夫の様子がますます見えなくなりました。

夜中に目が覚めた時に居間をのぞくと、夫はいつも通り寝ています。

気づいた時は、起こすようにしていました。

「体に悪いから、お布団で寝たほうがいいよ。風邪ひくよ」

しかし、夫は相変わらず怒鳴って私の手をはねのけます。

「どうして居間で寝てしまうんだろう?」

そう実家の母に愚痴をこぼしたこともありますが、母も「困ったわねえ」と言うしかありませんよね。

そこで一念発起し、なんとかしようと作戦を変えることにしました。

今までは、きつい口調で肩を揺さぶって夫を起こそうとしていました。

それをやめて、肩にそっと手を置き優しい声でこう語りかけるのです。

「風邪ひいちゃうから、お布団で寝てくれない?」

するとそのうち、怒鳴り返すことがなくなりました。

それでも、朝寝室にいることはありません。

そんな中、次第に私は夫の心配をしなくなりました。

子供の世話が忙しくなったのもありますが、多分、もうあきらめたのです。

夫はもう、変わらないだろう。

風邪をひくから、と心配してきたけれど、夫はそもそも風邪をひきません。

この癖は直らないのだろう、そのことを受け入れました。

すると、夫を責める気持ちもなくなりました。

夫が居間で眠り始めたら、そっと優しく「お布団で寝てね」それだけささやくようになりました。

そのうち、夫がごろ寝をしていても、仕方ないなあと声もかけなくなりました。

そんな状態がしばらく続くと、なんと夫が「最近放っておかれている気がする」と言い出したのです。

心配されなくて寂しくなったのでしょうか? 

そして居間で寝ていても、なんとか起き上がって夜更けには布団にもぐりこむようになりました。

そして、自分でも居間で寝ていてはいけないと思うようになったらしく「昨日居間で寝ちゃったよ~」と、失敗したなあと頭をかいています。

もう、私は夫の癖と戦うリングから降りました。

ですが今や、夫が自分の癖に向き合っています。

自分の夫であれ、誰かの癖を無理やり直すことなんて、そもそもできなかったのかもしれません。

それに気づくまで、28年もかかってしまいました。

今は私はリング下で、夫を見守るセコンドに転身。

これからもそっと、見守っていきます!

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