<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地に住んでいる自営業の51歳女性。
先日、近所のおばちゃんから役所に勤めている息子さんが職場での人間関係で苦労しているという話を聞いて、ふと、自分が公務員をしていた頃の事を思い出しました。
最初に就職した職場での話で、25年ほど前の事になります。
私と上司の2人だけの係に待望の新人さんがやってきました。
若くて元気なその人は、新人とはいえ私よりは勤続年数でも役職でも上司に当たります。
でも、この係での経験はないため私が指導員となりました。
経験があると言っても「プロ」と呼ばれるほどの自信はありません。
やりにくいなぁと内心不安を感じながらも新体制はスタートしたのです。
すると案の定、新人上司は挨拶までは良かったけれど、その後は揚げ足取りやら露骨に嫌な顔をするなど、嫌な感じの態度でした。
2週間ほど経った頃、私が彼に説明した仕事の手順とは違う順番で進めていることを知った相手は、その理由をしつこく追及してきました。
何と言っていいのかすぐに言葉が出ずにいると、「どっちが本当なのやら...」とニヤニヤ。
「そんなのケースバイケースだよ!」とキレそうになっていると、見兼ねて古参上司が助け舟を出してくれました。
しかし、それが気に触ったのでしょう。
ある日、連続して「書類訂正」を頼まなければいけないことができてしまったのですが、そのお使いを新人上司に依頼すると「何だよ、一回で言えよ。嫌がらせ!?」と怒られました。
私にも経験がありましたが、中には嫌味たらたらに恩着せがましく訂正する人もおり、その時もその新人上司は、そんな人に当たってしまい、相手からの不満を聞いていたのだと思います。
何度も行かされて腹が立つのも分かりますし、一回で全部を頼めなかった私も悪いです。
それでも「嫌がらせ」とまで言わなくてもいいだろうに...。
しかし、いくら腹が立っても本来の役職は上なので、グッとこらえて「自分で行ってきます」と言って逃げるように部屋を出ました。
残りの時間は居たたまれないので、他の課を回って油売りです。
古参上司も放っておいてくれたので、その日は定時にとっとと帰宅しました。
「これからどうしたものか」と一晩考えても何も良い手は浮かびません。
結局、新人上司には何も頼まないようにするしかないなと思いつつ、次の日、憂鬱な気持ちで出勤すると、なんとその上司が消えていました。
その事にも驚きましたがもっと驚いたのは、古参上司をはじめ同じ課の他の上司も誰も騒がないのです。
みんな何事もなかったように粛々と日常業務にいそしんでいるではありませんか。
その空気に、「聞いても答えはない」と察しました。
実は、何が起きたのかは今も分かっていないのですが、その時はホッとすると同時に...、なんとなく組織というものの怖さを垣間見たかのような、不思議な出来事でした。
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