<この体験記を書いた人>
ペンネーム:やまちゃん
性別:女
年齢:61
プロフィール:61歳になる主婦。最近、主婦友達とのお茶会が日課です。
私は今年61歳になります。
20歳の頃結婚し、子供にも恵まれました。
今では孫もいて、週末に遊びに来てくれます。
最近はその孫におもちゃやお菓子を買ってやるために、週2回くらいの簡単なパート仕事をして、他の日は近所の友人とお茶に行くのが日課です。
自分で言うのも何ですが、それなりに悠々自適な日々を送っています。
そんな私のお茶友達の中にAさん(60歳)という人がいます。
ある日、私たちが最近できたカフェでお茶会を開いた時のこと。
Aさんが、そのカフェのオーナーさん(40歳)に一目ぼれしてしまったようなのです。
そのお茶会中、Aさんは彼のことばかり話していました。
恋をするのはいくつになっても良いとはよく言いますが、それからというもの、Aさんは「若いころに戻ったみたい」と、ファンデーションだけだったのを口紅やアイシャドーをするなどしっかりお化粧するように。
白髪が見え隠れしていた髪もカラーに染めて、どんどん若々しくなっていきました。
仲間内でに「綺麗になったね」「やっぱり女は恋をすると変わるのね」と微笑ましく思っていたのですが、Aさんは私たちが思っていたより...ずっと本気だったようなのです。
駅前の当たると評判のタロット占いで、そのオーナーさんとの運勢を占ってもらったそうです。
するととても良い結果だったそうで、Aさんはとても喜び、毎日のようにカフェに通うようになりました。
「給仕のパートなど募集してないかしら? 私でよければ手伝いますよ」
頼まれてもいないのに何故かお店を手伝いしたことも。
「これ私が焼いたクッキーなの。味見して美味しかったらこちらで出させてくれません?」
手作りのクッキーを持参したこともあります。
「お仕事のあとはいつもどうなさるの? お食事にでも行きませんか?」
思い切って直接誘ったこともあるそうです。
これでもかというほど、20歳も年下のオーナーさんにアプローチし続けています。
最近では、手作りの刺繍の入ったエプロンをオーナーさんにプレゼント。
それを次に来店した時に使ってくれていなければ「気に入りませんでした?」と上目遣いで聞くAさんに、私たちも少し引き始めています。
オーナーさんもいい加減迷惑なのか、私たちが入店すると、陰でため息をつくような気配も見られます...。
お茶会はそのカフェですることが多くなっていて、Aさんが一緒だと、必然的にオーナーさんの話題に...。
さらに、Aさんは一通り自分の話を終え、いざ私たちの話になると、オーナーさんの方ばかりを見て、聞いているのかいないのかわかりません。
お茶会もずっとこのカフェになってしまっているので、みんなたまには違うカフェにも行きたいよね...とこぼしています。
Aさんを占った占い師さんに罪がないことは分かっています。
しかし、アプローチし続けるAさんにはうんざりですし、脈ありとAさんの恋心に火をつけた占い師さんに、文句を言ってやりたくて仕方がない私なのです。
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