新卒の私の腕をつかみ「責任は取る」と50代社長。私が裕福な育ちではないからって...!

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:myb
性別:女
年齢:46
プロフィール:15年間の結婚生活に終止符を打ち、歩み始めたばかりのシングルマザーです。

新卒の私の腕をつかみ「責任は取る」と50代社長。私が裕福な育ちではないからって...! 7.jpg

年の功なのか、最近、就職や転職の相談を受ける機会が増えてきました。

そんな時、私の体験談を尋ねられることもあるのですが、お話していいのかと迷う体験が一つだけあります。

その話を聞いてください。

大学時代の私は貧乏学生だったこともあり、学生としての就職活動はあえてせずに、木曜日にある大学のゼミの日以外は、アルバイトにいそしんでいました。

そして、3月半ばの大学の卒業式を終えてから、木曜日限定で就職活動を開始しました。

短期間の活動ではありましたが、タイミング良く一般枠で4月1日に就職することができました。

その会社は、募集の人数も応募者も多かったはずなのですが、入ってみると、私と社長(50歳くらいの男性)の2人きり。

電話に出ていた女性も代行会社の人だと知りました。

なぜ私だけを採用したのか聞いてみると、入社テストの点数が一番良かったからだと言われました。

どういう意図なのか、私のことを「特に印象に残っていた」とも言われました。

そのまま社長に教わりながら、社長の仕事をサポートする日々が続きました。

社長と私の席は向かい合わせではあったものの、3メートルくらい離れていたので、仕事中に社長と業務の枠を超えて過剰に関わることはありませんでした。

しかし4月25日の初めての給料日、珍しく定時に仕事を終えた社長から「飲みに行こう」と誘われました。

私は普通に会社の飲み会と捉えて同席しましたが、実は社長の思惑は違っていました。

居酒屋を出ると、いきなり社長に腕を捕まれ、ホテルの入り口に引っ張っていかれました。

振り払う私に社長は、「責任は取るから」と言うのです。

無理矢理ホテルに連れて行ってどんな責任を取るつもりなのでしょう。

「既婚者だからお金で責任を取ることになる」

社長は言いました。

私が貧乏な育ち方をしていたのを社長は知っていたので、私がその話に乗ると思ったのかもしれません。

しかし、節約に慣れていた私は、正社員として安定した収入を得られるだけで、十分な暮らしができる自信がありました。

失礼で不適切極まりない社長と、一瞬たりとも一緒にいたくないと思った私は、そのまま逃げ帰りました。

かくして、真面目に働いていこうという私の思いは、たった25日間で打ち砕かれました。

それでもめげずに翌日から就職活動を再開し、5月にはもっと良い会社に入社することができました。

もう二度とあのような目に遭いたくないという思いから、特に新人時代は、人一倍の努力をしました。

そのおかげか数年後、大学時代から興味を持っていた職種に移れるチャンスにも恵まれたので、あの日の悔しさは無駄ではなかったと思っています。

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