恋人だった頃とは別の意味で「手をつなぐ」必要が...老後の夫婦関係を考えさせられる「51歳の夫の衰え」

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:くあら
性別:女
年齢:53
プロフィール:自由にいろんな国へ旅行できる世界に戻りますように。

恋人だった頃とは別の意味で「手をつなぐ」必要が...老後の夫婦関係を考えさせられる「51歳の夫の衰え」 7.jpg

夫は私より2歳年下の51歳、結婚して20年以上経ちます。

数年前から夫の頻尿、いびきなどが原因で寝室を別にしました。

その頃から夫は老眼も進み始め、何かと老化しているなと思っていた私。

老眼のせいか、レストランなどでメニューを決める際もあまりちゃんと見ようとせず、私がいちいちフォローしなくてはならないことが増えてきました。

例えば、コース料理を注文する時。

メイン料理をどれにするか? ドレッシングの種類は? 食後の飲み物は? などなどちゃんとコースメニューを見て決めてから注文する必要がありますよね。

しかしせっかちな夫は店員さんを呼んでしまい、「メインはどうなさいますか?」と聞かれてから考えることが多々あります。

そこで迷ったりしないよう、事前に決めておくように、私が夫に配慮していました。

しかし、「決まったの?」と聞かれるのも年より扱いされているように感じるのか、だんだんメニューを決めること自体が億劫になったようです。

私が「これはどう?」「これにする?」と聞いていると、お前が決めてくれと言い出すようになりました。

そのくらいならまだ良かったのですが、体力的な老化も見えてきました。

ある日、日帰りで遠出をしたときのことです。

山道を歩いていたのですが、ちょっとした段差で踏みとどまることができず、顔面から転び、足をひねってしまいました。

もともと運動神経が悪い方ではなかったので、本人もまさかこのくらいで、とショックだったようです。

その後も何度もその時の話をしていました。

そしてつい先日のことです。

仕事先で荷物の運搬を手伝うことがあり、夫は1メートル足らずの高さから飛び降りたそうです。

普通に着地できる自信があったらしいのに、見事失敗。

その時は足首をひねってしまい、しばらく湿布を貼っていました。

これも本人は相当ショックだったようで、怪我の痛みよりも自分が衰えたことを認めるのが辛かったようです。

しきりに「自分の体力を過信してはいけないことに気づいた」と繰り返していました。

あそこが痛い、ここが痛いと訴えることも増えてきました。

こんな体の痛みとも、だましだまし共存していかないといけない年齢になったのかな、と夫婦でしみじみ話しています。

老化はお互い様ですし、私自身も体力の衰えを感じることは日々あります。

これからは外出の際、恋人同士だった頃とはまた違った意味で手をつないで歩くことが必要なのでは? と思うようになりました。

ショッピングセンターのエスカレーターで、前を行くおじいちゃんとおばあちゃんが手をつないでいるのを見て、ほっこりすると同時に、近い未来の私たちを見ているような気持ちになります。

関連の体験記:大学を留年した娘から送られてきた「留年分の学費返済計画」。苦笑いしつつ、一抹の寂しさが...
関連の体験記:「お嫁さんがかわいそうよ」頑なに同居を拒む母に、兄夫婦が思いついた「ほっこりする暮らし」
関連の体験記:誕生日も教えてくれず、助けてもくれなかった義母。私が義父母を慕う気持ちは、24年経った今も伝わりません

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
記事に使用している画像はイメージです。
 

この記事に関連する「みなさんの体験記」のキーワード

PAGE TOP