<この体験記を書いた人>
ペンネーム:324
性別:女
年齢:37
プロフィール:2人の子持ち専業主婦。
最近、ドラマ「やまとなでしこ」の再放送がされていて、懐かしい気持ちで観ていると自分の独身時代の記憶が鮮明に蘇ってきました。
今から15年前、大学を卒業したばかりの私(22歳)は友人を介して仲良くなったSちゃん(23歳)に誘われ、週2~3は合コンに参加していました。
某芸能リポーターのスタイリストをしていた彼女は顔が広く、現役有名スポーツ選手や医者、弁護士、一部上場企業会社員など、相手は錚々たるメンバーです。
若く、未熟だった私は「やまとなでしこ」のヒロインよろしく、付けている腕時計や乗っている車、着ているスーツ、何の仕事をしているのか、年収はどれくらいか...。
完全に人を、人間性ではなく「お金」で判断していました。
玉の輿に乗れば、お金持ちと結婚すれば勝ち組なんだと信じて疑わなかったのです。
確かにお金持ちの男性は良い気分にさせてくれました。
日本に数台しかない外車の助手席に乗ったり、会員制のバー、レストランにエスコートされると、自分がお姫様になったようでたっぷり優越感に浸れました。
もちろん合コンですからいつも当たり、ではありません。
退屈でちっとも盛り上がらない日もあります。
そんな時はそのまま繁華街に繰り出し、もらったタクシー代でホストクラブに遊びに行き、憂さ晴らし。
誰かを純粋に好きになる、恋をする、そんなことはもうできないんだと思っていました。
合コン三昧の生活は、私を打算でしかモノを見れない人間に変えたのだろう、と諦めていました。
そのうち私は27歳になりました。
相変わらず合コンに繰り出す日々を送っていましたが、だんだんお金持ちという人種にも飽きてきました。
自慢が多いし、中身も薄っぺらい、話も全然面白くない。
何よりときめかない。
「いつかきっと白馬に乗った王子様が必ず自分を迎えにきてくれる」
そう小さい頃から夢見ていた私。
合コンに行くのがだんだんバカらしくなり、そのうちパッタリと行くのをやめました。
そんな時、とうとう王子様に出会ったのです。
その人はお金持ちでもなく、どこかの御曹司でもなく、車も持っていませんでした。
出会いは合コンではなく職場、相手は会社の先輩でした。
でも誠実で思いやりがあって、いつも私のことを一番に尊重してくれました。
一緒にいるだけで幸せ...自分にまだ、純粋に人を好きになる気持ちがあったことが素直に嬉しくなりました。
「やまとなでしこ」のヒロイン桜子は「お金で買えないたった一つのもの」を探し続け、最終的にそれが心だと気付きます。
そして、貧乏で小さな魚屋さんの店主だった欧介と結ばれます。
私もお金持ちと結婚することこそがゴールだとずっと思っていましたが、それは違いました。
1000回以上合コンを繰り返し、たくさんのお金持ちと出会いましたが、私にとって重要なことは地位でも名声でもなく、どれだけ、自分を大切にしてくれるか、でした。
やっぱり心が大事なのでしょうね。
ちなみにその先輩だった夫と結婚し10年経ちますが、変わらずとても幸せです。
2000年にはじめて放送されたドラマ「やまとなでしこ」は今も色褪せることなく自分の人生のバイブルです。
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