<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住んでいる51歳自営業の女性。
実家で夕飯を食べながら、母と海外旅行の話をしていて思い出した話です。
15年ほど前に一人旅でサイパンに行きました。
海に入りたい訳でもなく、観光したいスポットがあるでもないのにサイパンを選んだ理由はとても簡単。
短時間で行ける海外で、昼間からお酒を飲んでのんびりしたいから。
嫌な思いをしたアルバイトでの臨時収入をパーッと使ってやろうという魂胆でした。
海外旅行は何度か行っていたので、日本人観光客が多い国だし、片言の英語でもなんとかなるさ! と意気揚々と飛び立ちました。
到着翌日の午後、早速、ホテルのプールのバーでお酒を飲んでいた時の事です。
現地の男性から「散歩に行こう」と誘われ、深く考えずにOKしてしまいました。
プールの直ぐ前はビーチになっており、お互いの仕事の話などをしながらブラブラ歩き始めました。
しばらくすると男性が「しょっぱいマンゴー食べさせてあげる」と言います。
なんでも、友人たちと住んでいる家の庭にマンゴーの木があって、日本で食べ慣れているマンゴーと違ってしょっぱいのだそうです。
本当かな? と思いながら家まで行くと、広い庭にはちゃんとマンゴーの木が。
そして、ミドリの皮のマンゴーは本当にしょっぱい。
ビックリしながらモグモグ食べている私を見て、彼の家に居た友人たちも喜んでくれ「お酒を飲もう!」となりました。
家の中からお酒やお菓子の他にもソーセージを焼いて出してくれ、庭のテーブルに並べてみんなで乾杯です。
ワイワイと飲みながら会話もしなくちゃと、片言の英語で色々と話しかけました。
しかし、返ってくるのはほとんど日本語。
気を使ってくれているのかと思いましたが、実は日本語が話せると良い職に就けるので勉強しているのだとの事です。
それではと甘えて日本語多めで話させてもらい、とても楽しく過ごしました。
陽が傾くころには名残惜しくて、サヨナラを言い出しにくかったです。
それでも、ホテルで夕食の予約もあったので重い腰をあげるのですが、みんな「楽しかった」「会えて良かった」と言ってくれ、門を出るまでにまたひと盛り上がり。
門を出た時には、薄暗くなっていました。
1人で海外に行ってもつまらないでしょうと母に言われて出掛けた旅でしたが、とんでもありません。
「見ず知らずの人とお酒を飲む。ソーシャルディスタンスなんてないし、コロナなんて気にしていない時代だったな」
今になってしみじみと思い出してしまう、大成功だった一人旅の思い出です。
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