<この体験記を書いた人>
ペンネーム:masako
性別:女
年齢:53
プロフィール:53歳の主婦です。56歳の夫と2人暮らしです。
コロナ禍で閉鎖していたフィットネスクラブも再開し、最近、広告がよく入ってきます。
それで思い出した、以前、私がパート勤務していたフィットネスクラブにいた、とんでもないコーチの話を聞いてください。
私は2006~2007年にかけて、あるフィットネスクラブで、受付をしていました。
私が勤務していた店舗では、子供向けの水泳教室も併設されていたので、私は一般の会員の受付の他に、週に3日ほど、水泳教室の受付も担当していました。
事件が起きたのは、その水泳教室でした。
私が受付をした小学校5年生の男子生徒が、水着に着替えてプールサイドへ向かう途中に、突然座り込んで苦しみ出したのです。
慌てて駆け寄ると、男子生徒は呼吸が困難な様子でした。
近くにはコーチも兼任している30代の支店長(男性)と、同じく30代の主任コーチ(女性)がいました。
しかし、絶対に気付いているはずなのに、2人とも打ち合わせを続けてこちらを見ようともしません。
私は、男児生徒に「大丈夫? コーチを呼んでくるから待っていてね」と声をかけると、指示を仰ぎにいきました。
私はコーチたちに「救急車を呼んだ方がいいですか?」と尋ねました。
かなり苦しそうだったからです。
ところが、主任コーチはなんと「放っておいていいよ、どうせ仮病だから」と鼻で笑い、支店長も頷いたのです。
コーチたちが言うには、その男児生徒はいわゆる「かまってちゃん」で、周囲の人間の関心を惹きたくて体調が悪いふりをしているのだそうです。
実際に以前も似たようなことがあり、コーチたちが気にかけるとケロリと治ったそう。
「だから今回も仮病に決まっている。甘えているだけだから、放っておけ」
そう言い残すと、支店長と主任コーチは苦しむ男児生徒の横を通り抜け、授業のためにプールへ向かってしまいました。
鬼のようなコーチたちの仕打ちにどうしていいのかわからず、途方に暮れていると、水着に着替えた40代のパートのアシスタントコーチの女性が通りかかりました。
40代のコーチはすぐに異変に気付き、駆け寄ってきて声をかけてくれました。
「たぶん、過呼吸だね。私が処置するから、あなたは受付に戻って」
私にそう言うと、男児生徒に呼吸法を指示していました。
幸い、短い時間で男子生徒は回復しました。
ですが、初めに放置されたのがショックだったのかそのまま早退し、それきり退会してしまいました。
両親に事情を説明していないのか、両親からクレームが来ることもありませんでした。
支店長も主任コーチも「根性ないね」と笑うだけで、まったく反省の色はありません。
普通の退会として処理しているので、何の処分もなしです。
そのコーチたちが言うように仮病だったのかもしれませんが、もし、命にかかわる発作だったらどうなっていたんだろう。
そう思うと、今でも背筋が寒くなります。
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