<この体験記を書いた人>
ペンネーム:せみ
性別:女
年齢:44
プロフィール:44歳の夫と中学2年生の娘と暮らすパート主婦。
私、夫ともに44歳の夫婦です。
10年以上前のある日のこと、私が醤油と砂糖で甘辛に味付けしたはずの料理が、すごく辛くて変な味になったことがありました。
原因は、私が料理をする直前にキッチンを使った夫が、砂糖入れと塩入れの容器の置き場所を逆にしてしまったことでした。
両方とも「しお」「さとう」とフタにそれぞれ書いてあるものの、同じ容器です。
私は普段から、塩は奥、砂糖は手前と置く位置を決めて使っていたのですが、夫は場所が決まっているとは知らずに、適当に容器を戻したとのことでした。
「砂糖と塩の位置を逆にしないでよ! 料理に入れ間違えちゃったじゃん!」
せっかく作った料理が無駄になったことに逆上した私は夫に怒りました。
夫は普段は優しい人で、大抵のことは「ごめん」と謝って自分から折れてくれます。
しかし、このときの夫は、私以上にキレて怒鳴りました。
「はー!? 何言ってんだお前は! 場所が決まってるなんて俺聞いてないし! フタに砂糖とか塩とか書いてあるんだからちゃんと見ろよ!」
今考えると、夫の言い分ももっともだなと感じます。
しかし、私もひるみながら食い下がりました。
「でも、間違えちゃうから、砂糖は手前、塩は奥に置いてよ!」
「わけわかんねー! もう、俺出てくわ!」
夫も負けずに言い返し、身の回りの物を持って出て行こうとしたのです。
夫は日頃温厚でめったに怒らないですが、一旦怒りが爆発すると中々収拾がつかないという面もあります。
横で夫婦のやり取りを見ていた当時3歳の娘は「パパ行かないで! うわあああーん!」と大号泣。
結局、夫は引き留めようとする私と娘を置いて、家を出て行ってしまいました。
その後、静かになった家の中で、私は娘と一緒に夫を待ちつつ、テレビを見ながらコタツで眠ってしまいました。
すると、夜中に玄関が開き、夫が帰ってきたのです。
夫はすっかり落ち着いていました。
物音で起きた娘が「パパー!」と夫に抱きつくと、夫は娘をなでながら、私を見て静かに言いました。
「塩と砂糖の位置、守ればいいんでしょ」
「うん、こっちも悪かったよ。帰ってきてくれてよかった」
こうして、私たちは仲直りしたのです。
当時、まだ若かった私たちは、喧嘩をするとどちらかが一時的に家を飛び出してしまうことがありました。
飛び出した側は、ネットカフェで何時間か過ごして、頭を冷やしてから帰宅して仲直りをするというのがお決まりのパターンです。
今となっては夫婦ともに達観してしまい、喧嘩してもそもそも飛び出すのは損だと感じてどちらも飛び出しません。
何より「塩と砂糖の置き間違い」ごときで喧嘩にもならなくなりました。
むしろ、「塩と砂糖の置き間違い」でよくここまで喧嘩ができたというか...。
やっぱり若かったんですかね...今の方が、ずっと穏やかで暮らしやすくなりました。
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