＜この体験記を書いた人＞
ペンネーム：Jenn
性別：女
年齢：52
プロフィール：目つきの悪い人を警戒するようになりました。
10年ほど前、40代の私は、フリーのイベントプランナーをしていました。
ある企業のコンペで私の企画が採用され、スポンサーから資金が提供されて消費者と企業をつなぐイベントを開催しました。
一般的にイベントスタッフはその時だけ報酬を払って雇いますが、その企業でパートをしていたAさんが積極的に協力してくれ、必要人員をあっという間に集めてくれました。
イベントは無事に終了し、翌年も引き続き行うことや別の企業の同じようなイベント開催も決定しました。
翌年はパートを辞めていたAさんも参加、一緒に裏方をするつもりでしたが、彼女は司会を買って出たり出演者として登場したり、人前に出ることを好みました。
これは後で知ったことですが、Aさんは陰で私への不満を言いふらし、それが徐々にエスカレートしていったそうです。
Aさんは私を直接攻撃するのではなく、「こうすればもっとうまくやれる」と自分の考えを述べる裏で、私への批判を他のスタッフに広めていったのです。
私が説明している最中に周りのスタッフに話しかけたり中座したりして、ビジネス現場にはふさわしくない態度も取り始めました。
そして出演者を集めた第1回目のリハーサルの時、突然Aさんが自分の作ったタイムスケジュールで行いたいと言い出しました。
スタッフには、2週間前に私が作った計画を配布していたので、変更点があれば検討する時間はありました。
「なぜ今になって？ しかも全員の前で？」
そう思いましたが、不意を突かれとっさに対策を思いつきません。
仕方なく会を中断してAさんと話しましたが、Aさんと私が対立する構図になってしまいました。
Aさんは、なかなか引き下がりませんでしたが、今更変更することは余計に混乱を招くので予定通りに進めました。
イベントは無事に終了したものの、後味の悪い結果になりました。
その後、スポンサー企業から呼び出され、イベント継続の打ち切りを言い渡されました。
担当者が伝えてきた納得できない理由を不思議に思いながら、帰り際に目にしたものは、支店長の横にいるAさんの悪意に満ちた目でした...。
Aさんはイベントの乗っ取りを計画しているのかと思いましたが、その後イベントを行った様子はないので、単に私を引きずり落としたかっただけなのかもしれません。
こういう場合、報酬が少ないことがもめ事の原因になるケースが多いですが、相場に従い支払っていたため、Aさんへの報酬が少ないとかではないと思います。
だから私はこう思います。
Aさんは、「悪意を持って人を陥れる人」だったのだと。
それ以降、初めて会った人や企業が、私を鼻から相手にしないような態度のことがありました。
話がトントン拍子に進んでいる途中での頓挫、紹介を受けて話をすることになった人からの突然のキャンセル。
Aさんが振れ回った陰口やデマに尾ひれがついて、全く見ず知らずの人や企業にも伝わっているようなのです。
私のこれまでの企画に不正があったとか、終了したイベントは終了ではなく中止させられたのだとか、私の考え方は異常であるとかぞっとするような内容でした。
できることなら、訴えてでもデマを回収し修正したい気持ちで一杯でしたが、いまさら証拠を集める方法もありませんでした。
最初にAさんの不満に気づいて対処しなかった自分のふがいなさもありますが、なぜAさんがそこまで失礼な言動や人を陥れるような行為に出たのか、今でも理解できません。
あれから10年経った今でも、時間とともに大きくなった悪い噂に苦しめられています。
当時の企業は、ルールや社会的規範を守って行動するというコンプライアンス意識に欠けていましたし、SNSが普及していなかった時代でもデマやうわさはこのように人に打撃を与えます。
SNSが発達し、個人でも簡単に好きな情報を拡散することができる今、同じことが自分の身に起こるとどうなるのかとぞっとします。
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