20代で結婚、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」。
友人夫婦、妹夫婦、そしてかつての両親。中道さんの見つめる、様々な夫婦の姿。50代の夫婦だからこそと中道さんが思ったこととは...
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夫婦仲のいい友人を見ているとほんとうに羨ましい気分になります。
妹夫婦もとても仲が良くて、どこに行くのもいつも一緒。
毎日たくさん話をするそうです。
喧嘩もするようですが、日ごろからお互いに自分の思っていることや気づいたことなど、小さなことでもコミュニケーションをとっているそうです。
それが仲良しの秘訣でしょうか。
ずっと一緒にいても苦にならない相手がいるって素敵なことです。
でも一方で、「もうすぐ夫が返ってくるから夕飯の支度しなきゃ」とか「女子旅かぁ。その日、夫の都合も聞いてみるわ」なんて言葉を聞くこともあります。
夫が定年になって家にいる時間が増えた。コロナ禍でテレワークになり家が仕事場になった。
専業主婦だと、昼間は自分のペースで過ごしていたのに夫が家にいるのでなんだか気づまりだし、ごはんの支度なんぞもしなきゃならない。
とにかく世話が焼けるのでストレスが溜まる。「うっとうしい~」なんて悲鳴も。
働いていればいたで、たまの休日は自分の時間にしたいのに、やっぱり家事負担が重くのしかかる。
家族のために自分の時間を削ってしまう。「だから、ほんとうに苦痛なんです。」という声も少なからず聞きます。
まぁ、食べさせなきゃならない子どもでもいるなら別ですが、家のなかで「妻はもっと好きにすればいい」と思います。
「夫が返ってくるから夕飯の支度しなきゃ」という前に、「私も好きにするから、あなたも好きにしてね~」でいいんじゃないでしょうか。
そうすれば夫との距離も保てるというものです。
自分の好きなことをするために、学校に通ってみたり、サークルに入ったり。
お友だちとランチや飲みに出かけたり、時には遠出もいいですね。
コロナ禍で家にいる時間が増えたので、動画配信サービスをゴロゴロしながら観るのもいいです。
そういう時間に、気が向けば夫を誘ってみるのもいいし、別に嫌なら誘わなくていい。
50代夫婦は、そろそろお互いに好きに生きてもいいような気がします。
たとえ家族であり伴侶であっても「個」としての自分を生きる、始まりの時期だと思います。
自分が好きに生きていれば夫も好きに生き始めます。
随分古い話ですが、わたしが実家にいたころ、母が習い事を始めました。
ちょうど夕飯の時間帯で週に何度かは、母が作っておいたご飯を父と食べる生活になりました。
帰ってくると、そこであった出来事を嬉しそうに話していたのですが、長く続きませんでした。
理由は「お父さんに悪いから」。
わたしは、勿体ないから続けたほうがいいよといったのですが、遠慮しちゃうんですよね。
主婦は家にいて家族の世話を焼くべき存在だと自分を縛りつけている。
せっかく楽しみに出かけるのに、「ごはんを作らなきゃ」という義務感にかられ、夫のご飯を作ってから出かける。
すると夫もそれが当たり前になってくるので、いつまでたっても何もしなくなるのです。
知人で、共働きなのに夫が家事を手伝わないという不満を抱えていた人がいました。
嫌なら「作りたくない」や「手伝って」でも言ってみたらどう?とアドバイスをしたら、なんとあっさりと了解してくれたそうです。
不満を抱えているだけでは相手には伝わりません。
日ごろから自分の思っていることや提案などはため込まず、そのつど小出しにしていくことは大事です。
その知人が休日に布団の中でゴロゴロしていると、旦那さんが買い出しに行っておでんの下ごしらえをしていたんだそうです。
もしかして旦那さんの方も自分の好きなものを食べたかったのかもしれませんね。
「妻が夫の世話をするべき」に囚われ過ぎない方が、上手くいくこともあるのではないでしょうか。
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