電車の中でボールを投げたらどう見えるのか。ガリレオ・ガリレイが気づいた「相対性」の不思議
子どもの頃、授業で習った「太陽や星の動き」「地球の自転や公転」「重力」――。当時は難しく感じた宇宙や物理の話も、年齢を重ねた今、改めて触れてみると「そういうことだったのか」と新たな発見があるかもしれません。そんな大人の「学び直したい」という好奇心に寄り添ってくれる一冊が、『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑』(KADOKAWA)です。SNSでも話題の天文物理学者で、信州大学工学部准教授でもあるBossBさんが、遠い宇宙の神秘から身近な物理の不思議まで、豊富な図解とともにやさしく解き明かしてくれます。
※本記事は天文物理学者BossB (著)による書籍『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑 』から一部抜粋・編集しました。
【天体と物理】動きと位置は"矢印"で考える――ベクトルの話
東京駅の位置はどこですか? 例えば、皇居の正門から見たら東南東方向に約1.2キロメートル(km)に位置し、東京タワーから見たら北北東方向に約3.8kmに位置します。物の位置は、ある場所からの距離(大きさ)と方向を持つベクトルである、といえます。
動きも同様です。例えば1時間で30km進む速さ、時速30kmであきみ(A)ちゃんがびやあけ(B)くんにボールを投げます。ボールはAちゃんから離れていきますが、Bくんには近づいていきます。動きを正確に表すには速さと方向が必要です。よってベクトルであり、それを速度といいます。
また、ある方向に時速60kmで動く電車の中で後方のAちゃんが前方のBくんに時速30kmでボールを投げたとしても、ボールの速度はAちゃんにとってもBくんにとっても、地面でキャッチボールした時と全く同じです。しかし、電車の外で静止している人から見ると、ボールは時速90kmで電車の進行方向に動いていきます。
豆知識
前後、左右、上下に動けるということは、この宇宙空間は3次元で、生命も物も惑星も3次元物体です。一方2次元空間以下では複雑な生命は存在できず、4次元空間以上では生命の基の原子ができません。

