『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑』(天文物理学者BossB/KADOKAWA)第2回【全8話】


子どもの頃、授業で習った「太陽や星の動き」「地球の自転や公転」「重力」――。当時は難しく感じた宇宙や物理の話も、年齢を重ねた今、改めて触れてみると「そういうことだったのか」と新たな発見があるかもしれません。そんな大人の「学び直したい」という好奇心に寄り添ってくれる一冊が、『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑』(KADOKAWA)です。SNSでも話題の天文物理学者で、信州大学工学部准教授でもあるBossBさんが、遠い宇宙の神秘から身近な物理の不思議まで、豊富な図解とともにやさしく解き明かしてくれます。

※本記事は天文物理学者BossB (著)による書籍『宇宙と物理のしくみがわかる! すごすぎる宇宙・天文の図鑑 』から一部抜粋・編集しました。

【天体と物理】宇宙は完璧な円である 天動説のこだわり

古代ギリシャ人の考えた宇宙は、地球が中心にあり、太陽や月、5つの惑星、そして星々が地球の周りを回っていました。それぞれ天球と呼ばれる球にはりついており、全てが同じ方向に回るのです。これが天動説。地球は動いていない。そして天球は完璧な球であり、天体は完璧な円運動をしている、そんな「神」のように「完璧」な宇宙を望んでいたのです。

しかし、惑星の動きはその「完璧」から外れ、夜空で逆向きに動いて見えることがあります。これが惑う星、惑星です。この逆行現象を説明するため、惑星は天球による円軌道(従円)上で、さらに小さな円(周転円)を描いて回転していると考えます。さらに、観測結果と一致させるため、天体は地球ではなく、地球から少しずれた点を中心に等角速度運動(=一定時間に同じ角度だけ回る)をしていると考えます。

これが1400年間、最も正確に天体の動きを説明できた天文学者・プトレマイオスの天動説です。

豆知識

古代ギリシャの伝統では、始まりも終わりもなく、中心から全ての点が等しい距離にあるという最も対称的な形―円や球―は、変わらぬ永遠の形として、神聖で完璧なものとされていたのです。